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 「パレード」吉田修一
評価:
吉田 修一
幻冬舎
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(2002-01)
Amazonランキング: 81926位

5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。伊原直輝28歳、インディペンデントの映画配給会社勤務。5人の生活がオムニバスで綴られる。
都会で職業も性別も年齢もバラバラな5人の男女の共同生活を描いた物語。
一見そつなく共同生活をしているけれど、それぞれが心では様々な事を考え、闇のようなものも持っており、表面上のお気楽さと内面の葛藤も見所な小説なのかと思う。
語り手は、大学3年生の良介、働かずにずっと部屋にいて、若手俳優と付き合っている琴美、イラストレーターをしつつ雑貨屋の店長もやっている未来、未来が酔っ払って家に連れてきてしまってから居つくようになってしまった5人目の同居人サトル、最年長で映画配給会社に勤めている直輝という順番で変わっていく。

私、これは普通の同居している若者たちの生活を描いただけなのかと思っていたけれど、小説のラストがなんとも印象的でびっくりしました。他人と、しかも自分以外では4人もの人間と暮らしていて、仲が良いのかと思っても、実はそれは表面上だけ、というのがはっきりと示されているような気がした。彼らは他人と暮らしていても結局は自分の事しか考えておらず、自分に影響がなければ誰が何をしていようが興味がないのだろうなと感じた。難しそうな同居という事をやっていても、その心では本当に他人と分かり合おうというものがないのかもと思った。
| 2010.02.12 Friday | 作家別・や行(吉田修一) | comments(0) | trackbacks(0) |
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