Blogpet
<< 「踊るナマズ」高瀬ちひろ | main | 「リトル・バイ・リトル」島本理生 >>
 「星々の舟」村山由佳
星々の舟
星々の舟
村山 由佳

読む人によって好き嫌いははっきりわかれそうだなあと思った。
買ったのは文庫のほうですが、アマゾンで画像が出ないのでハードカバーのほうにしてみました。
この小説確か石田衣良の「4TEEN」と同時に直木賞を受賞したと思うんだけど随分と逆な感じの印象を受けた。

最後にある作者の言葉を使うとこれは叶えられない幾つかの恋の物語であり、家族の物語でもあり、歴史の物語りでもある。
家族の話といってもこの家族は昼ドラに使えそうなドロドロとした事情があって、同じ家族、同じ舟に乗りながら互いに分かり合えない心の中の闇と傷がある。

最初の3編は何だってこんな重くて痛々しい話なんだろうと思いながら読んでいた。
だけど次の4話目の「青葉闇」からだんだん引き込まれていった。家に居場所が見つからない貢、こうはならないと思っていたのに結局はそうなっていく現実。そういう感情がひしひしと伝わってきた。

次の「雲の澪」はやっぱり主人公の聡美と同世代だからなのか一番共感できた。というかボロボロ泣きました。アホみたいに泣いてしまった。将来の夢や進路に悩んだり、実らない恋、友達に対する劣等感やねたましさ、そんなのに痛いくらいに共感できた。
今まで厳格で嫌な父親っていうイメージがついていた重之がここではいい感じの祖父になっていてイメージがまた変わった。

最後の「名の木散る」は重之の戦争の思い出が主な話だけど、最後に暁が出てきたことで何かこううまく話全体がまとまったような気がした。このラストを読んだら今まで読んだ話で感じたいろんなやりきれなさも、これはこれでいいのかもなあと思えた。
| 2006.03.11 Saturday | 作家別・ま行(村山由佳) | comments(2) | trackbacks(1) |
 スポンサーサイト
| 2020.06.03 Wednesday | - | - | - |
Comment
村山さんのほかの作品に比べて、どっしりと重い印象をうけます。でも、他のおり、この作品が一番好きです。
TBさせて下さい。
(それにしても、すごい読書量ですネ!)
アメコ
私は村山さんの作品はまだ3作品しか読んでいないんですけど、やっぱり星々の舟は特別重い話なんですね。
でも、それだけに印象には残りますよね。
読書は自分でも読みすぎじゃないの?と思うときもあるんですけどね、なかなか止められないものになっちゃってます。









url: トラックバック機能は終了しました。
星々の舟/,村山由佳
本屋に積まれている本の中で 表紙の絵に魅かれて買ってしまいました。 【ストーリー】 水島家には4人の子供たちがいる。夫:重之はと妻:志津子、先妻との間の子供である貢と暁。志津子の連れ子の沙恵、重之と志津子の子供の美希。家族という途中でおりることの出
| 心理学とタイとDOCO | 2006/05/27 12:08 AM |