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 「グロテスク」桐野夏生
評価:
桐野 夏生
文藝春秋
¥ 650
(2006-09)
Amazonランキング: 2980位

評価:
桐野 夏生
文藝春秋
¥ 680
(2006-09)
Amazonランキング: 3048位

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。(上巻)

就職先の一流企業でも挫折感を味わった和恵は、夜の女として渋谷の街角に立つようになる。そこでひたすらに男を求め続けて娼婦に身を落としたユリコと再会する。「今に怪物を愛でる男が現れる。きっと、そいつはあたしたちを殺すわよ」。“怪物”へと変貌し、輝きを放ちながら破滅へと突き進む、女たちの魂の軌跡。(下巻)
これは面白いんだけど、読むとぐったりと疲れる本ですねー。
美しい妹・ユリコを持つ「わたし」が語り手で、娼婦となったユリコと「わたし」の同級生である和恵が殺された事で、ユリコや和恵の日記等をまじえつつ、「わたし」がこの事件の事や、それぞれの過去について語るという構成。語り手のわたしが悪意に満ちた人間で、事実を都合のいいように取っていたり、自分の良い方に解釈したりしていて、読んでいてその悪意にやられてどっと疲れる感じ。でも、わたしの持つ悪意を否定する事が出来ないからこそ、どんどん読んでしまうんだろうなあと思う。
それと同時に、昼間は会社員をしながら夜は娼婦というニ重生活をしている和恵の日記の部分も、和恵の抱える不安定な気持ちが分からなくもないからこそ、読んでいてすごく暗い気持ちになっていったなあ。だからといって和恵のようにはならないけど、何か自分を支えるものがないから、どんどん堕ちていってしまったのが何だかやりきれない気もした。
そんな感じで先が気になってどんどん読めるんだけど、もうしばらくは読みたくないなあという気分になる本だった。とにかく自分の気分が暗い時に読むのはお勧めできない本かなあ。
| 2012.06.23 Saturday | 作家別・か行(桐野夏生) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「OUT」桐野夏生
評価:
桐野 夏生
講談社
¥ 700
(2002-06-14)
Amazonランキング: 16996位

評価:
桐野 夏生
講談社
¥ 650
(2002-06-14)
Amazonランキング: 18039位

深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから脱け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へと導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか? 犯罪小説の到達点! (上巻)

主婦ら四人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。しかし動き出した歯車は止まることなく、ついに第二の死体解体を請け負うはめになる。彼女たちはこの現実にどう折り合いをつけるのか。大きな話題を呼んだクライム・ノベルの金字塔。 (下巻)
これはすごい読み応えがあったなあ。面白かった。面白かったのだけど、読んでいる間ずっと精神を削り取られるかのようだった。しばらくこういう話はいいかなと思えるほど。

深夜の弁当工場にパートとして働いている雅子、弥生、ヨシエ、邦子の4人。深夜の工場で夜勤をしている事情はそれぞれにあるのだけど、そこからして読んでいて、結構暗くなる。でもそれは、それぞれがおかれた状況がリアルにどこかにありそうな話だからこそという気もする。その中の1人が夫を殺してしまい、他の3人でその夫をバラバラに解体して始末をするという所から話はどんどん進んでいく。
下巻に入ってからは、警察そっちのけで警察とは違う何かに主婦たちは追われていく。しかし最後はよく分からないままだった気も。雅子の動機がいまいちはっきりしないままだった感じがちょっとモヤモヤしたかな。後は、邦子の考えの足りなさにずっとイライラしてしまった。ちょっと考えればヤバいって分かるじゃん!と突っ込みつつ読んでました。
| 2012.02.18 Saturday | 作家別・か行(桐野夏生) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「I’m sorry,mama.」桐野夏生
評価:
桐野 夏生
集英社
¥ 460
(2007-11)

児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と焼死した。その背景に、女の姿が浮かび上がる。盗み、殺し、火をつける「アイ子」。彼女の目的は何なのか。繰り返される悪行の数々。次第に明らかにされる過去。救いようのない怒りと憎しみとにあふれた女は、どこからやって来たのか。邪悪で残酷な女の生を、痛快なまでに描き切った問題作。
児童福祉施設である星の子学園で保育士をしていた美佐江は、そこの園児であった25歳年下の稔と結婚していたが、ある日自宅のアパートで焼死体として発見される。その事件の背景には美佐江の働いていた星の子学園にかつていたアイ子という女の存在が浮かび上がってくる。アイ子は平気で人を殺し、金を奪うようなすごい女。読んでいて辛くなるし、きついはずなのにアイ子の先の行動が読めなくて、すごく気になりどんどん読んでいってました。

アイ子の過去がきちんと描かれていくにつれて、アイ子という救いようのない人間になっていってしまったのは、生い立ちだけではなく、周りの人間の自分さえ良ければアイ子が将来どうなってもいいという態度からも、こんな人間になってしまったのかなとも思った。

最後も結局アイ子はどうなるのかというオチが分からないままなのが気になった。個人的には結局どうなるのかがはっきり知りたかったなあと思った。しかし、彼女は変わらずにたくましいままのような感じもする。
| 2009.09.29 Tuesday | 作家別・か行(桐野夏生) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「冒険の国」桐野夏生
冒険の国 (新潮文庫)
冒険の国 (新潮文庫)
桐野 夏生

永井姉妹と森口兄弟は、姉と兄、妹と弟が同級生同士で、常に互いの消息を意識してきた。特に、弟の英二と妹の美浜は、強い絆で結ばれていた。が、ある日、一人が永遠に欠けた。英二が自殺したのだ。美浜は、欠落感を抱えたまま育った街に帰って来る。街はディズニーランドが建設され、急速に発展していた。そこで、美浜は兄の恵一に再会する。バブル前夜の痛々しい青春を描く文庫オリジナル。
★★★★

桐野さんがすばる文学賞に応募したときの作品。
正式にデビューする前の作品だそうです。

舞台はバブル期の頃で、ディズニーランドの見える場所で、時代に取り残された人たちの話。
双子の弟が自殺してしまった原因は何なのかというミステリっぽくもなっているんだけど、はっきりと答えが示されないので、そこは何だか個人的に消化不良な感じでした。

思えば、桐野さんの作品読むの初めてでした。
他にも家に積んであるのでちょこちょこ読み出していきたいです。
| 2008.08.06 Wednesday | 作家別・か行(桐野夏生) | comments(0) | trackbacks(0) |