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 「営繕かるかや怪異譚」小野不由美

叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」)。ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。あれも、いない人?(「雨の鈴」)。人気絶頂の著者が存分に腕をふるった、じわじわくる恐怖、極上のエンタテインメント小説。

家に纏わる怪異の話。怪異を払うとかではなく、なるべく共存できるように家を変えていくというのが面白かった。自分だったら怪異が起こったら怖くて住めない気がするけど経済的事情で簡単に動けない人たちもいるしこういう方法もあるんだなと思えた。

| 2019.07.31 Wednesday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「東の海神 西の滄海」小野不由美
評価:
小野 不由美
新潮社
¥ 637
(2012-12-24)
Amazonランキング: 25023位

延王尚隆と延麒六太が誓約を交わし、雁国に新王が即位して二十年。先王の圧政で荒廃した国は平穏を取り戻しつつある。そんな折、尚隆の政策に異を唱える者が、六太を拉致し謀反を起こす。望みは国家の平和か玉座の簒奪か―二人の男の理想は、はたしてどちらが民を安寧に導くのか。そして、血の穢れを忌み嫌う麒麟を巻き込んた争乱の行方は。

延王・尚隆と延麒・六太の話。国が荒廃した後に新しく王になった尚隆。少しずつ良くなっていく国だけど尚隆のやり方に異を唱え六太を拉致して謀反を起こそうとする斡由が現れる。王とはどんなあり方でいるべきかみたいな話かな。のらりくらりしている尚隆と、言っている事は立派だけど自分の事しか考えない斡由のキャラは分かりやすいんだけど普通にのめり込むし面白い。斡由が殺せとは言わずに遠回しに更夜にそれを命じているやり口が回りくどくてイライラした。いっその事言葉にしてくれた方がまだきっぱりしていてマシに思える。

敵に紛れて尚隆が六太を助けに来て六太をおんぶする所と終盤のこれは尚隆を誉めてるわけじゃないからな!の部分が良かった。この主従好きだなと思えた瞬間。

| 2019.05.06 Monday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「東亰異聞」小野不由美
評価:
小野 不由美
新潮社
¥ 724
(1999-04-26)
Amazonランキング: 51909位

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる……。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。

明治くらいの時代のファンタジーみたいな話。東亰を舞台に火炎魔人や闇御前が夜に現れ人々を襲っているという話。ホラーっぽくもあり不思議な世界観で慣れるまではとっつきにくかった。終盤の謎解きは結構な急展開なのだけど一番面白かった気がする。初子の思惑は小野さんらしいホラーというか呪いだなと思った。

| 2017.12.09 Saturday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「過ぎる十七の春」小野不由美
評価:
小野 不由美,樹 なつみ
講談社
¥ 745
(2016-03-04)
Amazonランキング: 163998位

運命の春が来る──。従兄弟同士の直樹と隆は、まもなく十七歳の誕生日を迎えようとしていた。毎年同様、隆の住む花の里の家を訪れた直樹と典子兄妹は、隆の母親の美紀子に対する冷淡な態度に戸惑う。「あの女が悪い」毎夜部屋を訪れるなにものかの気配に苛立つ隆。息子の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。直樹と隆──二人の少年を繋ぐ悲劇の幕が上がる!!
先祖からの呪いでみたいなのはゴーストハントっぽいおどろおどろした怖さがあって面白かった。霊も直樹たちの親もいつの時代でも母は子供を思っていてその力は強いんだなと感じた。終盤近くになるまで何が原因なのか分からないのもあって、直樹の豹変からずっとどうなるんだと気になって仕方なかった。
| 2016.05.31 Tuesday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「緑の我が家 Home, Green Home」小野不由美
父親の再婚を機に、高校生の浩志はひとり暮らしをはじめた。ハイツ・グリーンホーム、九号室―近隣でも有名な幽霊アパート。無言電話、不気味な落書き、白紙の手紙など、不可解な出来事がつづき、住人のひとりが死亡する。「出ていったほうがいいよ」不愉快な隣人の言葉の真意は?幽霊を信じない浩志も感じる「ひどく嫌な気分」の正体とは…?ページをめぐるごとに恐怖が降り積もっていく本格ホラー小説。
元はラノベなので読みやすいけど、しっかりホラーもあって面白かった。事故物件なのに普通に住み続けている住人も凄いと思ってしまった。でも主人公の浩志は親と折り合いが悪いからアパートで怖い事があっても簡単には帰れないからい続けなければならないというのは納得出来る感じで良かった。
グリーンホームで起こる恐怖と浩志の過去の出来事も上手く繋がるし読みごたえがあった。和泉の話は真実は辛いんだけどグリーンホームで2人が話を出来た事は浩志にとっても救いになったように思えるので良かった。
| 2015.09.30 Wednesday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「残穢」小野不由美
評価:
小野 不由美
新潮社
¥ 637
(2015-07-29)
Amazonランキング: 1347位

この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが──山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!
ドキュメンタリー風ホラー。調査報告みたいな淡々とした語り口はゴーストハントの推理パートみたいで、じわじわ後から怖さが来る感じだった。過去との繋がりが分かってくる辺りは読んでいてゾクッとした。この連鎖はずっと続くのではないかとか色々考えると本当に怖い。鬼談百景で出てきたエピソードがこっちにも書かれていて、鬼談百景読んでからだとおっと思えて面白いかもしれない。
| 2015.08.31 Monday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「鬼談百景」小野不由美
評価:
小野 不由美
KADOKAWA/角川書店
¥ 605
(2015-07-25)
Amazonランキング: 668位

学校に建つ男女の生徒を象った銅像。その切り落とされた指先が指し示す先は…(「未来へ」)。真夜中の旧校舎の階段は“増える”。子どもたちはそれを確かめるために集合し…(「増える階段」)。まだあどけない娘は時折食い入るように、何もない宙を見つめ、にっこり笑って「ぶらんこ」と指差す(「お気に入り」)。読むほどに恐怖がいや増す―虚実相なかばする怪談文芸の頂点を極めた傑作!初めての百物語怪談本。
怖い話集。子供の頃好んで読んだ怖い話の本という感じだった。長くても数ページ。全部で99話というのもちょっと怖い。短いので真相が明かされる感じでもないので静かにゾクゾクが続く感じで、自分も割とスイスイ読んでいたのでたまにゾクッとくる話があったりして緩急ある感じだった。
| 2015.08.15 Saturday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「黒祠の島」小野不由美
評価:
小野 不由美
新潮社
¥ 767
(2007-06-28)
Amazonランキング: 230906位

「そう―ここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教”が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか?式部が最後に辿り着いた真実とは。
閉塞的な島の描写とか屍鬼を思いだす。でもこっちの方が殺人事件があったのを島ぐるみで隠蔽しようとしていたりしてホラー的な怖さも感じられた。事件も式部としては解決したんだろうけど、根本的な部分では全然解決していなくて、この後この島はどうなってしまうんだろうかと少し考えてしまった。
| 2015.05.27 Wednesday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「風の海 迷宮の岸」小野不由美
幼き麒麟に迫り来る決断の時——神獣である麒麟が王を選び玉座に据える十二国。その一つ戴国麒麟の泰麒は、天地を揺るがす<蝕>で蓬莱に流され、人の子として育った。十年の時を経て故国へと戻されるも、役割を理解できぬ麒麟の葛藤が始まる。我こそはと名乗りを挙げる者たちを前に、この国の命運を担うべき「王」を選ぶことはできるのだろうか。
蝕で蓬莱に流され、そこで生まれ育った泰麒は10年後に十二国に戻り、自国の王を決めるという自分の麒麟としての役割を知る。しかし麒麟としての自分に自信が持てず、蓬莱を恋しく思う泰麒は苦悩する事に。まだ幼いのにいきなり今までの自分とは違う、本来の自分のあるべき姿を知らされ、周囲にもそれを期待されてしまう泰麒の葛藤や苦しさは辛そうだった。それでも周りに懐いていく泰麒の様子は可愛らしい。「月の影 影の海」に出てくる景麒も登場するけれど、景麒は本当に不器用そうだなと思った。驍宗と離れたくない一心で天啓がないのに王に選んでしまったと思い悩むのはどうなるんだろうと思ったけど、その辺は結構あっさりだったなという印象。ほっとしたけれども。
「魔性の子」を読んでいるとその後の泰麒が分かるけれど、かなり波乱万丈なんだよなあ。泰麒の性格を考えると本当に辛かっただろうなと改めて思った。
| 2013.10.17 Thursday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「月の影 影の海」小野不由美
「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨(さまよ)う陽子は、出会う者に裏切られ、異形(いぎょう)の獣には襲われる。なぜ異邦(ここ)へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤(どとう)のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸(ほとばし)る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。(上巻)

「わたしは、必ず、生きて帰る」──流れ着いた巧国(こうこく)で、容赦なく襲い来る妖魔を相手に、戦い続ける陽子。度重なる裏切りで傷ついた心を救ったのは、〈半獣〉楽俊(らくしゅん)との出会いだった。陽子が故国へ戻る手掛かりを求めて、雁国(えんこく)の王を訪ねた二人に、過酷な運命を担う真相が明かされる。全ては、途轍(とてつ)もない「決断」への幕開けに過ぎなかった!(下巻)
いよいよ十二国記の本編を読み始めました。先に魔性の子を読んでおくと戴国の話でピンと来るわけなんだね。なるほど。

シリーズ1作目は現代に生きる女子高生の陽子が主人公。一か月近く何者かに追われる夢を見ていた陽子。ある日学校に金髪の青年が現れ、訳も分からないままに異国に一人取り残されてしまう。海客と呼ばれ、陽子は人々に追われるようになってしまう。親切にしてくれた人に裏切られ、妖魔に襲われ、陽子は心身共に追い込まれてしまう。そんな中、楽俊という半獣に助けられた事で陽子の状況も変化していく。

読者にも説明されないままに話が進んでいくので、最初は陽子と同じように何が何だか分からない感じだった。その上、上巻では陽子はひたすら追い込まれるばかりで読んでいて辛かった。色んな人に裏切られるので、お前もか!と思ってしまったり、陽子に救いはあるのかと思ったりもした。
下巻に入ると楽俊が陽子を助け、十二国の世界を説明してくれたり、陽子の支えになっていて本当にほっとした。挿絵もあって楽俊可愛いじゃないかと思ったら、後半で人間の姿にもなったりして、陽子と一緒にこっちまで驚いたり。最後はあっさりとまとまった感じがするけど、陽子の人生としては本当にこれからなんだよなあと思ったので続きが楽しみです。

十二国記はタイトルが漢字ばかりだったり、中華風ファンタジーという前情報から難しそうだなあと思っていたのだけど、全然そういう事はなかった。考えたら元々は少女小説なのだし当たり前だよなあ。
| 2013.07.12 Friday | 作家別・あ行(小野不由美) | comments(0) | trackbacks(0) |
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