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 「ピエタ」大島真寿美
評価:
大島 真寿美
ポプラ社
¥ 1,620
(2011-02-09)

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる—聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。
ヴィヴァルディの死後、1枚の楽譜を探してエミーリアが様々な人と会い、自分の過去やヴィヴァルディの思い出を共有している人たちとの交流をしていく話。実在の人物を軸にしての話だけど、ヴィヴァルディは直接話に出てくるわけではなく、登場人物にとっての思い出の人ポジションなので歴史とかに詳しくなくてもさらりと読めた。楽譜の話もなかった事になるのかと思ったらきちんと回収されていて、その後の行方といい、余韻を残す感じが良かった。
| 2014.04.16 Wednesday | 作家別・あ行(大島真寿美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「水の繭」大島真寿美
評価:
大島 真寿美
角川書店
(2005-12)
Amazonランキング: 611636位

むかしむかしあるところに、私たちが家族だった頃がある―。母と兄、そして父も、私をおいていなくなった。孤独な日常を送っていたとうこのもとに、ある日転がりこんできた従妹の瑠璃。母とともに別居する双子の兄・陸は時々とうこになりかわって暮らすことで、不安定な母の気持ちを落ち着かせていた。近所の廃屋にカフェを作るためにやってきた夫婦や、とうこの祖母。それぞれが大きな喪失を抱えながら、ゆっくり立ち上がっていく、少女とひと夏の物語。
父親を亡くして一人になったとうこが、家出癖のある従妹の瑠璃が転がり込んできた事で、両親が離婚して以来会っていなかった双子の兄・陸や、近所でカフェを作ろうとしている茂と遊子と出会い、少しずつ喪失から抜け出していく話。
文章が読みやすくて、さらさら進むんだけど、登場人物のほとんどが何かを失っている人たちなので、中身は重い気がした。喪失からの立ち直りはそんなに簡単にいくものでないだろうけれど、自分の気持ちを分かってくれる他者が傍にいるのは良い事なんだろうなと感じられた。
| 2013.04.12 Friday | 作家別・あ行(大島真寿美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「羽の音」大島真寿美
評価:
大島 真寿美
理論社
(2001-05)
Amazonランキング: 747614位

これしかなかったからこうしてるってことに、後悔、できないじゃない…。両親の離婚で崩壊した家庭で、受験前の登校拒否ぎみな妹、菜生(なお)と、出社拒否の姉との奇妙な共同生活が始まる。青春の一時期をリアルに描く。
普通に生活していたのに、ある日、日常から外れてしまった姉妹の一ヶ月間の物語。ある日を境に会社に行かなくなった姉、学校を休むようになった妹。姉が会社に行かなくなったのには幼馴染である透樹の存在が大きく、最後には透樹を探しに行こうと決意する。姉にとっては透樹が、妹にとってはミキオが大きな影響を持つ人物であると分かるのに、その肝心の二人のキャラがよく分からず、物語の中で何だか現実感のなさを感じてしまった。不思議な話。
| 2011.05.04 Wednesday | 作家別・あ行(大島真寿美) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ほどけるとける」大島真寿美
ほどけるとける
ほどけるとける
大島 真寿美

平和な気持ちになりたくて、女の子特有の仲良しごっこの世界を抜け出した18歳の美和。夢も希望も自信も失って、祖父が経営する銭湯でバイトをしながら、どうにも先が見えない日々を過ごしていたのだが…。あなたの疲れた心を、そうっとあたためる、やわらかな成長の物語。
★★★
「1 ゆめ」「2 あこがれ」「3 女ともだち」「4 かがやき」「5 きぼう」「6 おもいで」

何の考えもなく高校を中退した美和が実家で祖父がやっている銭湯でアルバイトをしつつ自分の人生や進路を見つめていく話。
そこでいろんな人との語らいやエピソードがあるのだけれど、そのひとつひとつが何だかいい感じです。
年齢や性別、いろんな世代の人たちが出てくるけど、高校を中退してしまった美和に説教するわけではなく、友人としての立場で出てくる。その感じがいいなーと思いました。
| 2008.03.21 Friday | 作家別・あ行(大島真寿美) | comments(0) | trackbacks(1) |
 「香港の甘い豆腐」大島真寿美
香港の甘い豆腐
香港の甘い豆腐
大島 真寿美

ひとりが気持ちよかった。やっと、ひとりになれた。親や友だちから解き放たれた地。風はぶっきらぼうだけど、いじわるじゃない-。出生の秘密が、私を香港へと運んだ。たおやかで、ガッツな青春の物語。

父親がいない彩美が、父親に会いに母親と突然香港に行くことから始まる。
大島さんの作品初めて読んだけど結構よかった。
日本にいるとき何でも自分には父親がいないからというのを理由にしていた彩美がそれを自覚して、父親としてではなくロイに会いたいと思うところなんか好きだなあ。
彩美のおばあちゃんも素敵だった。元気なおばあちゃんいいね!

そしてこれを読んで私が中2のときに町の海外派遣で行った中国のこと思い出した。いや、香港と中国は違うけど。彩美が広東語覚えていくのを読んでいくと私も旅行用の中国語覚えたなあとか。確か「値段が高すぎます!」っていうのを覚えた記憶があるんですけど、今じゃすっかり抜けてる。あ、でもまだ中国語でアトムの歌ならうっすら覚えてる。自分の名前の中国読みなら今でも言えるかな。もう使うことないだろうけど。

タイトルにもなってる香港の甘い豆腐、作中に出てきて、タイトルはこれのことかと思ったら食べたくなった。いつか香港行ってみたいなあ。
ちなみにこれ表紙の絵もすごいかわいい。
| 2006.08.27 Sunday | 作家別・あ行(大島真寿美) | comments(2) | trackbacks(1) |