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 「蹴りたい背中」綿矢りさ
評価:
綿矢 りさ
河出書房新社
¥ 1,080
(2003-08-26)
Amazonランキング: 249185位

高校に入ったばかりの蜷川とハツはクラスの余り者同士。やがてハツは、あるアイドルに夢中の蜷川の存在が気になってゆく…いびつな友情? それとも臆病な恋!? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く、待望の文藝賞受賞第一作。第130回芥川賞受賞。
再読。
高校のクラスに馴染めずに浮いているハツとにな川の交流?を描いた話。ハツのような考え方って今読んでも少し理解出来てしまったなあ。そういう風に思っても飛び込んじゃえばいいのになとは思うけど。にな川のオリちゃんへのはまりっぷりは改めて読むと危ない気がした。ハツとにな川は仲良いんだか悪いんだかよく分からない絶妙な関係性が好きだった。
| 2016.06.08 Wednesday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(1) |
 「大地のゲーム」綿矢りさ
評価:
綿矢 りさ
新潮社
¥ 1,404
(2013-07-31)
Amazonランキング: 389008位

私たちは、世界の割れる音を聞いてしまった――。大地はまた咆哮をあげるのか? 震災の記憶も薄らいだ21世紀終盤。原発はすでになく、煌々たるネオンやライトなど誰も見たことのないこの国を、巨大地震が襲う。来るべき第二の激震におびえながら、大学キャンパスに暮らす学生たちは、カリスマ的リーダーに未来への希望をつなごうとする。極限におかれた人間の生きるよすがとは何なのか。未来版「罪と罰」。
震災が無かったらこういう話は書かなかっただろうなあと思いつつ読んだ。今となってはデリケートな題材でチャレンジしたのかなと思うけど、個人的には何が言いたいのか分からなくてよく分からないまま読み終わってしまった。嫉妬の感情とかはさすがだなと思った。
| 2015.12.28 Monday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「しょうがの味は熱い」綿矢りさ
評価:
綿矢 りさ
文藝春秋
¥ 1,260
(2012-12-12)
Amazonランキング: 28747位

愛し合って一緒に住んでるのに、婚姻届を見ただけで顔がひきつるってどういうこと!?好きなのにどうしてもすれ違う二人の胸の内を、いやんなるほどリアルに描く連作2篇。ひりひり笑える同棲小説。
「しょうがの味は熱い」「自然に、とてもスムーズに」の2編。
恋人同士で同棲している奈世と絃。奈世はそろそろ結婚したいと思っているのだけど、絃はまだそうは思っていなくて、それぞれの気持ちの違いを描写している2編。26歳の2人の考える、それぞれの立ち位置とか環境を考えると分かるなあと思うし、それと同時にグサグサとくる部分もあって、何とも言えない読後感だった。
個人的には奈世の両親の言う事ももっともだよなあと思うし、あの後きちんと和解出来れば良いなあと思うのだけど、どうなんだろう。でも当事者だったら、親の意見聞かずに突っ走るだろうなって奈世の気持ちもやっぱり分かるんだよなあ。しかし片方だけが結婚に妙に前向きだとやっぱり重く見えるもんだなとこの話を読んでいて思った。
| 2013.10.19 Saturday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(1) |
 「ひらいて」綿矢りさ
評価:
綿矢 りさ
新潮社
¥ 1,296
(2012-07)
Amazonランキング: 273273位

怖れを知らない女子高生が、哀しい目の男子に恋をした。熱い思いは勢いあまり、彼の恋人に向けられて…。人間の根源的な愛を問う最新長篇。
ちょっと独特な恋愛小説。主人公の愛にはたとえという名前の好きな人がいるんだけど、ある時にたとえが手紙を読んでいる所を見かけて、その手紙を盗み読むと、同じ高校に通う美雪とたとえが付き合っている事を知る。どうにかしてたとえに近づきたい愛は、美雪に接近して親しくなり、何故か美雪と関係を持つようになってしまう。
今回の主人公の愛は、思考もだけど行動も少しぶっ飛んでいるから読んでいてどことなく本谷有希子の書く人物みたいだなと思った。夜の学校にたとえを呼び出して、素っ裸になってたとえの席で待っているシーンとかさ。こんだけぶっ飛んだ事したり、好きな人の恋人と深い関係になっていても、底にある気持ちは相手に心をひらいてほしいって事なんだよなと思うと、愛の行動は滑稽でありながらもいじらしく感じて嫌いにはなれなかった。「ひらいて」というタイトルのストレートさも割と好み。
| 2013.01.31 Thursday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(3) |
 「かわいそうだね?」綿矢りさ
評価:
綿矢 りさ
文藝春秋
¥ 1,365
(2011-10-28)
Amazonランキング: 9539位

私の彼は元彼女と同棲中……週刊誌連載時から話題を呼んだ表題作と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の2篇収録。
「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」の2編。

「かわいそうだね?」は、アメリカで育った隆大が、アメリカに住んでいた時の彼女であるアキヨさんを就職活動をする間、自分の家に住まわせるという事を、彼女である樹理恵に告白する事で始まる。普通では考えられない事を話され、2人はアメリカで育っているからと最初は理解しようとする樹理恵だけど、職場の後輩にそれはあやしいと言われ、隆大とアキヨの家に突撃したりと次第に樹理恵も行動的になる。終盤の隆大の携帯を見てしまった時の、隆大はスーパーマンか、辺りから文章の小気味よさもあって、結構笑えた。作中で樹理恵も自分で突っ込んでいたけれど、いわし雲メールの間に入るアキヨさんのメールの破壊力にあの辺のページはずっと笑ってた。
最後の爆発する辺りもそりゃ切れるよなあって思えたので、読んでいてスカッとした。

「亜美ちゃんは美人」は、さかきちゃんの高校からの友達である亜美ちゃんはみんなの憧れで、人目を引く美人だった。さかきちゃんはそんな亜美ちゃんの事が少し苦手だったのだけど、反対に亜美ちゃんは誰よりもさかきちゃんを慕っていて、彼女のアドバイスの通りに髪型を変えたりしていた。さかきちゃんと亜美ちゃんの繋がりを描写しながら、2人の人生を追っていく物語。
亜美とさかきちゃんが大学に入った時の飲み会のシーンの描写が、妙にリアルでこういう光景どっかにありそうだと思ってしまった。亜美ちゃんの人物像もいそうな感じで、絶妙に感じた。しかし、亜美ちゃんは幸せになれそうには見えないなあ。
割とはっきりものを言う、小池くんのキャラもいいなあと思った。
| 2012.05.21 Monday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「勝手にふるえてろ」綿矢りさ
評価:
綿矢 りさ
文藝春秋
¥ 1,200
(2010-08-27)
Amazonランキング: 27826位

賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。恋愛、しないとだめですか。
久々の綿矢りさ。これは面白かったー!学生時代に好きだった初恋の相手と、自分を好いてくれる職場の男性との間で揺れる話。主人公の本音と軽快な文章が心地よくて、あっという間に読めた。
面白いのは男性2人をそれぞれ「イチ」「ニ」と呼んで記号のように扱っているという点。記号のように扱われていたニが、最後の最後に呼び方が変わる場面とか、ちょっと感動的ですらあったよ。
本谷有希子っぽいぶっとんだ行動起こす主人公なんだけど、人間関係における嫌な部分を出しつつも、笑える部分もあって上手くバランス取れてるなあと思う。
| 2011.04.26 Tuesday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「夢を与える」綿矢りさ
夢を与える
夢を与える
綿矢 りさ

私は他の女の子たちよりも早く老けるだろう。チャイルドモデルから芸能界へ―幼い頃からTVの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。ある出来事をきっかけに、彼女はブレイクするが…少女の心とからだに流れる18年の時間を描く。芥川賞受賞第一作。
★★★★★

前作から久しぶりに出た綿矢さんの作品。今回はチャイルドモデルの栄光と転落を描いた物語。すごかったです。すごく引き込まれてあっという間に読めた。
文体も前作までの一人称から三人称に変わっていて、最初は戸惑ったけど、まあそれはすぐに慣れました。

母親・幹子の執念から産まれた子供である夕子は、みんなからゆうちゃんと呼ばれ、愛される存在へ。その内にスカウトされて、モデルの仕事からテレビのCMに出るようになり、次第にブレイクしていく。

華やかに思える夕子の人生は、決して幸せには見えなかった。
とても痛々しくてちょっと辛いくらいです。中学の時の同級生の多摩がすごくいい奴で好きだった。
そして、夕子に起こってしまうスキャンダルは本当にひどい。
ネット社会の怖さを感じるし、こんな事ってないよーと思った。この事件で夕子が悟る、夢を与える人間は、自分が夢を見てはいけないってのも悲しい。
夕子はまだ17、18ぐらいなのに、そんな結論に行き着いてしまうのがやるせない。
でも、それだけにすごく印象に残った。
| 2008.12.18 Thursday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「インストール」綿矢りさ
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綿矢 りさ

突然、学校生活から脱落することを決めた高校生・朝子。ゴミ捨て場で知り合ったクールな小学生かずよしに誘われて、チャット風俗で一儲けすることに。押入れのコンピューターから覗いた「オトナの世界」とは? 文芸賞受賞作。

久しぶりに再読。文庫本の書き下ろしが気になるけど、家にハードカバーがあるので文庫はしばらく買わないかなあ。
初めて読んだ時以来全く読んでなかったので所々抜けてるところがあったので、新鮮な感じで読みました。
最初に読んだのは中3のときで、気付いたら私は高3で主人公朝子と同じ受験生になっているもんだから時間の流れは早いなあなんて思ってしまった。でも、この時期に読んだからものすごいのめりこんで一気に読んでしまった。

学校の友人にけしかけられて登校拒否になり、大人びた小学生と一緒に風俗チャットでお金を儲けるって、簡単に言ってしまうとこんな話なんだけど、読んでてものすごいスカッとした。
私はなんでこんな勉強しなきゃなんないんだろう、勉強したくないと思いつつそれでも大学には行きたくて、毎日宿題やら予習やらしてるせいで受験勉強する時間が無いとかいいながら、実際宿題が無かったら勉強しないで本読んだり漫画読んだりパソコンばっかして、だらけながらも毎日学校行ってる私には学校行かないってあっさり決断して、それを実行しちゃう朝子がすごく自由な感じでよかった。普通この時期じゃそうは出来ないもんだし。
昔読んだときは何も感じなかったのに今読んだら爽快な感じがして、読み終わった後すごいすっきりしてた。本は読む時期も重要だなあとひしひしと感じた。
| 2006.06.05 Monday | 作家別・わ行(綿矢りさ) | comments(0) | trackbacks(0) |