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 「お縫い子テルミー」栗田有起
評価:
栗田 有起
集英社
¥ 440
(2006-06-28)
Amazonランキング: 446649位

依頼主の家に住み込み、服を仕立てる「流しのお縫い子」として生きる、テルミーこと照美。生まれ育った島をあとにして歌舞伎町を目指したのは十五歳のとき。彼女はそこで、女装の歌手・シナイちゃんに恋をする―。叶わぬ恋とともに生きる、自由な魂を描いた芥川賞候補作の表題作。アルバイトをして「ひと夏の経験」を買う小学五年生、小松君のとぼけた夏休みをつづる『ABARE・DAICO』収録。
「お縫い子テルミー」「ABARE・DAICO」の2編。
叶わない恋をしながらも流しのお縫い子をしているテルミーの話が表題作。生まれ育った島では祖母の言う事にしたがってきたテルミーが東京へやってきて、恋をして、自分一人で物事を決めて生活していく。
「ABARE・DAICO」は、小学5年生の男の子が無くしてしまった体操服を買うために自分でアルバイトをして稼ごうと奮闘する話。どちらも自分で決断して行動する事が軸の話なんだろうなと思う。私は「ABARE・DAICO」の方がユーモアある感じで面白かった。
| 2013.09.12 Thursday | 作家別・か行(栗田有起) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ハミザべス」栗田有起
評価:
栗田 有起
集英社
¥ 480
(2005-07-20)
Amazonランキング: 112049位

はたちの誕生日を前に、死んだと思っていた父が本当に死んだらしい。マンションを一部屋とハムスターを遺産として受け取った、まちる。母と暮らした家を出て、地上33階で静かに重ねる日常。元恋人の幼なじみや、父の同居人だった女性との不思議な関係と友情……。不器用なやさしさをユーモアでくるみ、流れる会話でつむぐ、新しい小説世界。第26回すばる文学賞受賞作の表題作ほか『豆姉妹』収録。
「ハミザべス」「豆姉妹」の2編。

ハミザべスは亡くなった父からマンションを遺産として受け取ったまちるが、父と住んでいたと言う自分と同じ歳のあかつきからハムスターの世話を任され、マンションに越してくる事で自分の今までの日常について考える話。
豆姉妹はそっくりな姉妹の永子と末美。永子が転職し、今までと変わった事をしていくのを見て末美も今まで自分がやってこなかった事をしようと考える。
どっちも地味な話だけど、1つの変化をきっかけに今までと物事の考え方を変える話なのかなとも思った。ハミザべスとかタイトルになっているけれど、一体何の事だと思ったらもらったハムスターの名前だったりして所々面白いなと思える部分があった。
| 2013.07.17 Wednesday | 作家別・か行(栗田有起) | comments(0) | trackbacks(1) |
 「コトリトマラズ」栗田有起
評価:
栗田 有起
集英社
¥ 1,575
(2010-03-05)
Amazonランキング: 483793位

勤務先の社長と密かに付きあう華。彼の妻の入院で、ふたりの関係は変化する。そんな華が思い起こすのは「母が死体にキスをした」遠い日の記憶。老いゆく母にも秘められた物語があったのかもしれない。揺れる心を細やかに描く恋愛小説。
会社の社長と不倫関係にある華。自分の上司でもあり社長の妻である能見さんが病気で倒れた事で、自分と社長の関係を改めて考え、社長の事を愛しているのだと自覚する。それと同時に、社長の奥さんも自分と社長との関係について気づいていると分かってしまう。
不倫ものなのに、描写があっさりめだからなのか、スルスル読めた。社長の奥さんが病気になってしまったり、夫と部下の不倫に気づいていながらもどっしりと構えているからなのかなあ。こういう奥さんだと同じ場所で働いているの辛くなるだろうなあと思うので、華の決断は当然かなと思う。
カヨみたいな距離の取り方が結構好きだなあと思った。もし同じように自分が誰かに相談されてもこういう風に対応したいなあと感じてしまった。
| 2011.10.22 Saturday | 作家別・か行(栗田有起) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「蟋蟀」栗田有起
評価:
栗田 有起
筑摩書房
¥ 1,575
(2008-09)
Amazonランキング: 324381位

魅力が暴走している!?
生き物をテーマにした10の物語集。手を握ったひとの未来が見える占い師の身に起こったこととは?(サラブレッド) 優秀でかわいい秘書は、研究室に大きな水槽を持ち込んだ(あほろーとる)。夫の出世で住むことになった社宅には不思議なサークル活動が(猫語教室)。などなど、面白さてんこ盛りの栗田有起ワールド。
泣いて、笑って、びっくりして、しみじみして、夢中になって、幸せになる。
「サラブレッド」「あほろーとる」「鮫島夫人」「猫語教室」「蛇口」「アリクイ」「さるのこしかけ」「いのしし年」「蟋蟀」「ユニコーン」

動物をモチーフにした短編集。結構中途半端で終わっている話が多いので、その先が知りたいんだよなあと思う話が多かった。なので、個人的にはちょっと微妙な本。
| 2010.09.19 Sunday | 作家別・か行(栗田有起) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「オテル モル」栗田有起
評価:
栗田 有起
集英社
¥ 460
(2008-06-26)
Amazonランキング: 226579位

「悪夢は悪魔」の合言葉のもと運営される会員制地下ホテルで働きはじめた希里。「最高の眠りと最良の夢」を提供すべく「誘眠顔」である彼女の奮闘が続く。リハビリ施設に入院中の双子の妹に代わり、小学生の姪と、かつて恋人であった義理の弟とともに暮らす希里が働き始めたのをきっかけに、彼ら三人にも変化がみえてきたころ、妹の沙衣の退院が決まる。直後、事件は起きてしまう―。
地下にある、眠るためのホテル「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」で働く事になった希里。希里には双子の姉の沙衣がいて、沙衣は過去に薬物中毒となってしまい、精神が不安定なため現在でも入院している。そのため希里は、沙衣の娘の美亜と、沙衣の夫でかつて自分の恋人でもあった西村と3人で暮らしている。

一見不安定でアンバランスな生活空間であるのだけど、表面上では上手くいっている不思議な暮らし。これは子供である美亜の存在が大きいのだろうと思う。
地下のホテルは眠るための場所としてある。部屋にはもちろん窓はないし、余計な物は一切ない。ホテルの空調も一括で管理されているので、空気が繋がっている。地下のシンとした空気感、眠気を誘うホテルの描写が栗田さんの文章と合っていて心地よかった。何だかこっちまで眠気を誘われる感じだった。
| 2010.06.23 Wednesday | 作家別・か行(栗田有起) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「マルコの夢」栗田有起
マルコの夢
マルコの夢
栗田 有起

姉の仕事を手伝うためにフランスへ渡った一馬。三つ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことに。ある日オーナーからマルコを買いつけてきてほしいと頼まれ、わずかな手がかりをもとに日本に戻り動きだす。幻のマルコ、はたして一馬はたどりつけるのか…。マルコとは?奇妙な冒険譚。
あんまり厚くないので結構あっさりと読めました。
就職できなかった一馬が姉の誘いでパリに行き、高級三ツ星レストランでキノコ担当として雇われる。
眼鏡に必ずヒビを入れてからかけるギヨーム、気に入った女性にサインをもらう癖のあるピコリなどのちょっとおかしな仲間と過ごしていたが、幻のキノコ「マルコ」の在庫が無くなりそうなので産地である日本で探してきてくれと帰国することに。

そこからがどんどんとキノコの世界になっていきます。キノコってなんか間抜けな響きなのに、小説のキャラクターたちがまじめにキノコキノコと言っていておもしろい。
一馬の母親が一番好きでした。帰国してきた一馬のスーツケースを見た一言が最高ですね!

ラストなんて意味深ですごいですね。あれは軽くホラーですよね…。キノコにはとらわれないようにしなければ!
| 2007.09.09 Sunday | 作家別・か行(栗田有起) | comments(0) | trackbacks(0) |