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 「永遠の出口」森絵都
評価:
森 絵都
集英社
(2003-03)
Amazonランキング: 430196位

あの頃の私、“永遠”という響きにめっぽう弱かった。青々とした10代。翔けぬけた少女の季節は、想い出がいっぱい。『カラフル』の感動から5年。初めて描く“大人への物語”。
再読。
主人公の紀子が小学生から高校生になるまでの日々を描写している話。いつの時代でも子供の頃の感情って何かしら共感出来るんだなって思った。中学生の紀子がやさぐれるきっかけになった親はルールにうるさいのに自分たちは密造酒を作ってルールを破っていたっていうのは紀子のモヤモヤぐるぐるする気持ちも分かるし親の立場もの気持ちも分かったなあ。
高校生の恋の話は、端から見ていると自ら傷つきに行っていてあーあーってなるんだけど、卒業前に保田くんと話す事が出来て気持ち的には救われて終わったのは良かったなと思った。色々胸に刺さるエピソードや描写もあるけどやっぱり面白いし好きな話だった。
| 2015.10.12 Monday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「この女」森絵都
評価:
森 絵都
筑摩書房
¥ 1,575
(2011-05-11)
Amazonランキング: 378093位

震災後15年して見つかった小説。そこにはある青年と彼の人生を変えた女の姿が。釜ヶ崎の地をめぐる陰謀に立ち向かう彼は、小説の作者でもあった。冒険恋愛小説。
森絵都の本を久々に読む。タイトルが今いち内容と合っていないような感じがした。もうちょっと上手いタイトルあったんじゃないかなーと。
主人公の礼司が二谷というホテルを経営している社長から、自分の妻の小説を書いてくれと頼まれて引きうける。しかし二谷の妻の結子は気難しく、平気でホラ話もする。そのため根気強く結子の過去の話を聞き出そうとする礼司は、ただ小説を書かせる事だけが二谷の目的ではないと知っていく。
小説の時代設定が1995,6年辺りなので、最初はピンとこなかったけど、礼司の知り合いの大輔がハマっていってしまう宗教とか時代が分かってくると、あー、と納得した。
礼司の暮らしていた環境とか生きにくさを感じてしまって微妙に読むの辛かった。最終的には最後の文章を書いた段階では前向きだったんだろうけど。その辺の決着はきちんと付かないままだったけど、礼司が書いた小説という事になっている話だからこういう終わり方で良いんだろうなとも思う。そして読み終わってから最初の数ページを読むと何ともやりきれない気持ちになった。
| 2013.09.24 Tuesday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「異国のおじさんを伴う」森絵都
評価:
森 絵都
文藝春秋
¥ 1,313
(2011-10)
Amazonランキング: 225521位

思わぬ幸せも、不意の落とし穴もこの道の先に待っている。どこから読んでも、何度でも、豊かに広がる10の物語。誰もが迎える、人生の特別な一瞬を、鮮やかにとらえる森絵都ワールド。
「藤巻さんの道」「夜の空隙を埋める」「クリスマスイヴを3日後に控えた日曜の……」「クジラ見」「竜宮」「思い出ぴろり」「ラストシーン」「桂川里香子、危機一髪」「母の北上」「異国のおじさんを伴う」

短編集。1つ1つが短いので、印象に残る話とかが思いつかなくてちょっと物足りない読後感。コメディっぽいノリの話から、ちょっとほろりと来るような話もあって、話の幅広さはすごいなあと思った。
この中だったら、私は一番竜宮が好きかな〜。
| 2012.05.16 Wednesday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(1) |
 「架空の球を追う」森絵都
評価:
森 絵都
文藝春秋
¥ 1,400
(2009-01)
Amazonランキング: 285625位

やっぱり罠にはまった。そんな気がする。ふとした光景から人生の可笑しさを巧妙にとらえる森絵都マジック。たとえばドバイのホテルで、たとえばスーパーマーケットで、たとえば草野球のグラウンドで、たとえばある街角で…人生の機微をユーモラスに描きだすとっておきの11篇。
「架空の球を追う」「銀座か、あるいは新宿か」「チェリーブロッサム」「ハチの巣退治」「パパイヤと五家宝」「夏の森」「ドバイ@建設中」「あの角を過ぎたところに」「二人姉妹」「太陽のうた」「彼らが失ったものと失わなかったもの」

全編軽い読み口で読むことの出来る短編集。1話が短いのでちょっとした間に読むことが出来た。
「ハチの巣退治」とか、読んでいて、海外の短編小説みたいなコミカルな感じを受けた。でも、森絵都は短編よりも、もっとページ数や中身の濃い長編向けの人かもなあと私は思った。次は長編が読みたい。
| 2010.02.06 Saturday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ラン」森絵都
評価:
森 絵都
理論社
¥ 1,785
(2008-06-19)

越えたくて、会いたくて、私は走りはじめた。直木賞受賞第1作。
自分の周りの人がどんどん死んでしまい、孤独に暮らしていた環。自転車屋をしている紺野さんと同じものを感じて徐々に仲良くなっていくが、紺野さんは実家に帰ることになってしまう。その時に、紺野さんの亡くなった子供が乗るはずだった自転車「モナミ1号」をもらう。モナミ1号に乗り始めたある日、突然にもういないはずの環の家族に再会する。

最初は普通の話なのかなと思っていたけど、死んだはずの家族に会えるっていうちょっとしたファンタジーっぽい内容になって、ちょっと思っていたのと違うなあと思ったのですが、さすがは森さんの作品だけあって読ませます。最初は死者に会うために「走る」という目的で、それはそうなんだって思ったけど、現実に生きる仲間たちに出会い、彼らとともに目標を決めたり喧嘩したりしながら、仲良くなって協力しあっていく感じがとても良かった。
最初は嫌な奴かと思っていた真知栄子の醤油一升瓶とか、景品に弱いおばさん的キャラとか読んでて楽しかった。
| 2009.10.04 Sunday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「風に舞いあがるビニールシート」森絵都
風に舞いあがるビニールシート
風に舞いあがるビニールシート
森 絵都

国連で難民事業に携わる里佳は、上司で元夫のエドがアフガンで死んだという知らせを受ける。そして、エドがアフガンで助けた少女のことを伝え聞き。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。
「器を探して」「犬の散歩」「守護神」「鐘の音」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」

直木賞受賞作だけあって、全体的にものすごくいい短編集だと思います。でも、直木賞をバリバリ意識して書いたんだろうなあーってのが分かるのでそこはどうかなと個人的には思います(ひねくれている私)。森さんは児童文学をもう書かないのかなと思うけど、児童文学の頃のほうが私は好みかなとここまで読んできて思いました。ちなみに文芸作品のほうだと『永遠の出口』が一番好きです。

「器を探して」
クリスマスイブの日に恋人との約束があったにもかかわらず、職場の上司の気まぐれで美濃焼の器を探す羽目になった弥生。
女々しい男と嫉妬から大事なときには無茶な仕事を言いつける天才パティシエの間で揺れていますが、そんな男とは別れてしまえ!そんな職場なんかやめてしまえ!と言いたくなりました。

「犬の散歩」
犬の里親を探すボランティアをしている恵利子。現在2匹の犬の世話をしているが、その世話代を稼ぐために昼間は主婦業+犬の世話、夜はスナックで働いている。
恵利子がどうして犬の里親探しのボランティアをするようになったかと、現在世話をしている病気持ちの犬・ビビの飼い主が見つかるまでの話。
なんか自分の知らない世界の話で、すごい勉強になりました。

「守護神」
レポートの代筆を社会人学生限定でしてくれるニシナミユキという学生がいるらしい。彼女に代筆してもらおうと奮闘する裕介。
これは普通に面白かった。そんだけ調べてあるなら自分で書けよとニシナミユキじゃなくても思いますよね(笑)
大学の話とあって余計に面白かったです。あと、裕介の解釈も興味深いですね。

「鐘の音」
師匠とけんかしたことで仏像修復という仕事から離れた潔が久しぶりにその当時の仲間の元を訪れる。
高校のとき仏像大好きな先生がいたんですけど、仏像に魅せられるってそんな感じなのかな。私には分かりませんが好きな人にはたまらないんでしょうね。それゆえに修復し終わった仏像にしでかしてしまった事とかプラモデル用のボンドとかあれば、逃げたくもなるでしょうね…。でも逃げたことで家族が出来たりしているしそれはそれでいいですよね。めちゃくちゃ暗い話かと思っていたのでこれはよかったです。

「ジェネレーションX」
クレーム処理のために、そのメーカーの若い社員と謝罪に行く。若い社員・石津は明日、高校時代の仲間と草野球をする予定が入っている。
何だかコミカルでおもしろいです。オチまで完璧です。

「風に舞いあがるビニールシート」
国連難民高等弁務団事務所で出会ったエドと結婚した里佳。その後二人は離婚するが、アフガニスタンでエドは死んでしまう。
普段知っているけれど、目をそらしていることを見せられた感じです。この作品についてはあまり書けないですね…。ただ、こういうことは忘れないでおきたいです。
| 2008.01.01 Tuesday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「つきのふね」森絵都
つきのふね
つきのふね
森 絵都

死ぬことと生きることについて考えた。どっちがいいか、どっちがらくか、どっちが正解か。今までずっとそういうこと、考えてきた気がする。壊れやすい思春期の心を描く。
再読。前は一気にばーっと読んでしまったので、今度はゆっくりよんでじっくり味わいながら読みました。そしたらやっぱ、いいですねー。ちょっと児童書なのがもったいないと感じてしまう。
ただ、ひとつ気になるのはこんなに荒れてる中学生が私にはいまいちピンとこなかった。危ない兄ちゃんと付き合うようになるとあそこまでなっちゃうんですかね、やっぱ。そういえば「カラフル」でも、ヒロインの女の子が援助交際してるっていう設定だったよな。改めて考えるとそれもすごいな…。

この話は1999年が間近に迫った1998年が舞台。この時期だと、考えたら私は小学4年生なんですよね。今となってはノストラダムスの話題なんてこれっぽっちも出ないけど、昔は確かに特番やってた記憶がある。1999年になって、小学5年になったとき、7月に地球が滅んだら運動会出来ないんだなあとかアホなこと考えてたのを思い出しました(笑)。他に心配することあるだろうに。

さくらと梨利を仲直りさせようとしたり、智さんを助けようとがんばる勝田くんのキャラが好きでした。その行動がむくわれないことが多いんだけど…。素直に自分の中の弱い部分を見せることの出来る男の子は素敵だなあと思いました。
そして、この本はラストがものすごくいいんですよね。じわーとくる。
| 2007.03.26 Monday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「いつかパラソルの下で」森絵都
いつかパラソルの下で
いつかパラソルの下で
森 絵都

病的なまでに潔癖で、傍迷惑なほど厳格だった父。四十九日の法要が近づいたこ、私は父の生前の秘密を知ってしまう。大人たちの世界を瑞々しい筆致で綴ったハートウォーミング・ストーリー。

前半がええ!って感じの話でちょっと驚いたんですけど、読んでいくとどんどんおもしろくなってきました。
いままで知らなかった家族の秘密をある日突然知ってしまって、でもその秘密を抱えていた人はもうこの世にはいなくて、それで今まで知らなかった父親のことを知ろうとする兄妹の話なんだけど、何かいろいろ考えちゃったなあ。私も家族には言ってないことあるし、(それは秘密というほどのものじゃないけど)同じように私には秘密にしていることもあるんだろうなあと。

最後も森さんらしくいい感じに収まってるのがよかった。児童文学でも、大人向きに書いてもそういう感じが変わってなくてよかった。
| 2006.06.16 Friday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(2) | trackbacks(1) |
 「DIVE!!〈4〉コンクリート・ドラゴン」森絵都
DIVE!!〈4〉コンクリート・ドラゴン
DIVE!!〈4〉コンクリート・ドラゴン
森 絵都

読み終わるのがもったいない、もうちょっとこの本の世界を読みたかったなあと、そう感じるシリーズでした。

3人が3人ともがんばったのがわかるので、その中で1人しか選ばれないのが残念に思えた。いっそのこと3人でオリンピックに行けばいいのにと何回も思ってしまった。腰を痛めている中飛ぶ飛沫も、高熱が出ているのに飛び続ける要一も、上を目指して飛ぶ知季もみんなすごいと思った。結果としては何となく思った通りではあったけれど、それでも最後までどのキャラクターにも、作者の森さんはどのキャラもみんな好きなんだろうなあと感じる目線で書かれていてよかった。ここに来てレイジの視点が来るのかあと思ったりもしたし(レイジは意外と好きです)3巻で要一とは微妙な関係として書かれていて一体何を考えているのかよくわからなかった富士谷コーチの心情も書かれていたし。

メロスは走りきったのかというあたりはちょっとじんわりきました。本を読んでて私の涙腺が刺激されるのってたいてい家族の話なんです。だからここでちょっときました。
3巻で思わず笑えたところがあると書いたけど今回も俺の嫌いな精神論じゃねーかのあたりで笑ってしまいました(真面目なシーンです)
最後の飛沫のセリフはちょっとかっこいいなと思いました。
そしてこの3人の活躍をもっと見たかったなとやっぱり読み終わった後に感じました。いい読書をしました。
| 2006.02.11 Saturday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「DIVE!!〈3〉SSスペシャル’99」森絵都
DIVE!!〈3〉SSスペシャル’99
DIVE!!〈3〉SSスペシャル’99
森 絵都

3巻は想像した通り要一が主人公になってました。このシリーズをここまで読んできて私は3人の中ではダントツで要一が好きなんだなあと確信しました。今は読み終わって時間がたってるからあれですけど、ちょうど読んでたころは活字の世界の人に恋をしかねん勢いで要一のキャラクターが好きでした。

1巻では頼れる年上のキャラとして書かれていたのに3巻では精神的な脆さというか、自分とは関係ないところでどんどん動いていく自分の事に戸惑ったり違和感を感じたりしている。オリンピックに出たくて今まで夢見てきたのに、実際に出れることになっても自分の事じゃないみたいで、自分とは関係ないところで大きく動いていくことに疑問を感じて熱くなれないと語ったところなんか1巻を読んでたころは要一がこんなことを言うとは想像もつかなかった。

両親がオリンピックの選手で才能にも恵まれて何も不自由がなさそうに見えるのに、事故のトラウマとかスランプとかこういうのって誰にでもあるもんなんだと感じた。自分から見て何でも出来る人がいるとその人は何も悩んだり苦しんだりすることがないんだろうなあと思ってしまいがちだから、そうでもないんだよなあと当たり前のことに気付いた。

3巻読んでてなんか文章が面白いなあと思うところがたくさんあった。豆や馬みたいに・・・ってところとか。ベストを尽くしてその上で失敗してくれ、すがすがしく散ってくれとか。胡蝶蘭抱えて見舞いに行くところとか、海パン事件の真相とか。思わず読んでて笑えてきました。
| 2006.02.11 Saturday | 作家別・ま行(森絵都) | comments(0) | trackbacks(0) |
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