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 「まぼろし」生田紗代
評価:
生田 紗代
新潮社
(2005-07-21)
Amazonランキング: 1797665位

「こんなはずじゃなかった」が母の口癖だった。記憶の中の母は、怒ってばかりだった。そして、私が高校三年のときに父と母は別れた。それから母とはもう、八年近く会っていない。なのに、なぜ今になって戻りたいなんて―。逃れることのできない母娘の確執を描く表題作他、会社を辞めて実家に戻った私が高校生の妹と過ごすあてどない時を描く「十八階ビジョン」を収録。

「十八階ビジョン」と「まぼろし」の2編。

「十八階ビジョン」は両親が旅行に出かけて妹としばらく2人で過ごす事になる姉の話だけど、自分はこのままでいいのかと思っている主人公になんとかなるでしょとあっさり言う妹が良かった。ラストの終わり方も好き。

「まぼろし」は母親と娘の話だけどこれがよく分かるなあと思って読んだ。でも主人公は母親と距離を置けているからずっとモヤモヤしたものはあるだろうけど大丈夫な気がする。子供は一度は心の中で母親を殺すという大学の講義の内容が印象的だった。家族の事を悪く思うの良くないという空気があるけどモヤモヤを抱える人は一定数いるのかなと思えて読んでいて少し安心してしまった。

| 2016.11.10 Thursday | 作家別・あ行(生田紗代) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「それいゆ」生田紗代
評価:
生田 紗代
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,680
(2010-03-27)
Amazonランキング: 173379位

春、大学生になった夕夏が入った演劇サークルは奇人変人揃い。それでもなんとか馴染みはじめた矢先、なぜか本公演の主役に大抜擢。その日から、斜め45度後ろ向きだけど熱くて濃いエンゲキの日々が幕を開けた!
大学1年生の南夕夏は、高校時代の話したこともない同級生の影響を受け、演劇を始める。南の入った「劇団森の人」というサークルは、変人ぞろい。みんなに恐れられるあづみ、役者としての才能があるのに、金や女に対して考えが甘い大学6年生の英里加、謎の多い阿久津など、個性豊かな人が多い。

演劇未経験の南なのに、初めての舞台で主役に選ばれてしまい、最初は無理だと思いながらも、周りの部員たちと関わり合いながら少しずつ成長していく青春物語。変わり者ばかりのサークルの人たちが、みんな良いキャラしてて、もっと話を読んでいたかったなあと思えるくらいだった。

個人的には英里加とあづみの話がもっと知りたかった。サークルの人との人間関係、みんなでわいわいやりながらも1つのものを作り上げていく雰囲気、良いなあと思った。やっぱりサークルは楽しい空間だよなあと感じる。
| 2010.09.21 Tuesday | 作家別・あ行(生田紗代) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ぬかるみに注意」生田紗代
評価:
生田 紗代
講談社
¥ 1,470
(2009-01-27)

些細な日常を通じて曖昧で不安定な20代女性の内面を描く表題作ほか、クラスでちょっと気になる同級生との触れ合いが印象的な『カノジョの飴』、とある姉弟の他愛ないやりとりが光る休日の一幕『浮いたり沈んだり』、友達との奇妙な三角関係と兄の結婚、ふたつの出来事に心揺れる主人公を描いた『魔女の仕事』の計4編を収録。
「ぬかるみに注意」「カノジョの飴」「浮いたり沈んだり」「魔女の仕事」の4編。

さりげなく追っかけている生田さんの新刊がいつの間にか出ていたらしく、見つけたので読んでみました。
特別に何か大事件が起こるわけではなく、淡々とした日常の出来事を書いているのが生田さんの話だと思う。生理が来なくて気になっている人とか、何らかの事情で給食が食べられなくなってしまった同級生が気になる子とか、眼鏡がなくなって騒いでいる弟とそれを聞き流している姉とか、兄が結婚するので何かお祝い買わなきゃなあと考えている妹とか、本当にどこにでもいそうな人たち。

でも、その中でどこか母親との関係ってものがピックアップされているような気がする。それはデビュー作の「オアシス」でもそうだったし、そういうところにも注目しつつ読んだ。
ところで「ぬかるみに注意」で、生理が来ない主人公に、自分もここ1年か半年近く生理不順が続いていたのでなんだか共感できた。最近やっと好調(?)になったんで、そういう話を友達にしたら、その前にさっさと病院行けよって突っ込まれました。それもそうだな。
| 2009.09.16 Wednesday | 作家別・あ行(生田紗代) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「タイムカプセル」生田紗代
タイムカプセル
タイムカプセル
生田 紗代

就活で面接60回敗退の従姉・桐ちゃんは、私の一年後の姿。未来から逃れるような大学生活のなかで偶然出会った“親友の弟”が、なんだか気になって…。

何か特別なことが起こるわけじゃない日常の話という感じかな。こういう話は好きです。
読んでて桐ちゃんの就活を応援してまった。何だろう、私は就活なんてもちろんまだ先だけど、2者面談とかでたびたび先生にこの学部行くと就職は難しいとかずっと言われているのでやっぱり他人事には思えなかったのかも。桐ちゃんが就活の不安をぶちまけるところなんか妙にリアルに感じた。きっとこういうこと私もその時期が来たら思うんだろうなあ。
何回落ちても、泣いてもそれでもめげずにがんばる桐ちゃんを見てると女の人は強いもんなんだと思える。桐ちゃんの就活の行方が気になる。

佐野の弟もいいキャラしてるよな。荻野さんと付き合うことになるんだろうなと思いつつ、気になっているのは佐野の弟。だけど、別に佐野の弟ともそういう関係にはなっていない。佐野の弟との友達なのか恋愛感情があるのかなんともいえない感じがよかった。
| 2006.04.29 Saturday | 作家別・あ行(生田紗代) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「オアシス」生田紗代
オアシス
オアシス
生田 紗代

家事放棄の「粗大ゴミ」=母・君枝とパラサイトさせられている姉、単身赴任の父-そして私。女三人、奇妙な家族の行方は? 『文藝』掲載を単行本化。第40回文芸賞受賞作。

去年の10月に実は一回読んでるんだけど、この前図書館で「タイムカプセル」借りるついでに一緒に借りてきて再読してみた。
以前読んだときは急いでたのか何なのかなんであそこまで盗まれた自転車にこだわっているんだろうと思ったまま読み終わった記憶があるんですけど、ちゃんとそれらしいこと書いてありましたね。何読んでたんだ、以前の私は・・・。盗まれた自転車にこだわる理由、それがわかってくると話の間にところどころ入っている盗まれた青い自転車との思い出もしっくりくる。自転車に乗っているときに学生が通ってきたときの描写もそれがわかるとそういうことなのかと何となく想像することができる。意外と奥が深かった。

母親に対する姉妹の態度もすごいよな。母親は病院行ったほうがいいんじゃないかと思うのに姉妹はほったらかし。母親に対して思う感情も何となくあー、わかるなあと思うところが多かった。
| 2006.04.29 Saturday | 作家別・あ行(生田紗代) | comments(0) | trackbacks(1) |