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 「ななつのこ」加納朋子
ななつのこ
ななつのこ
加納 朋子

郷愁を誘う幻想的な作品集『ななつのこ』の著者との交流を通して、日常の中の謎を解き明かしていく主人公。期待の女流作家が贈るほのぼのとした連作推理長編。第3回鮎川哲也賞受賞作。

「スイカジュースの涙」「モヤイの鼠」「一枚の写真」「バス・ストップで」「一万二千年後のヴェガ」「白いタンポポ」「ななつのこ」

ななつのこという小説を読んだ主人公駒子が、その本を書いた作者の佐伯綾乃さんにファンレターを送ります。そこに自分の身の周りで起こったちょっと不思議な出来事を書いたら、見事にその謎を解いた佐伯綾乃さんからの返事が来ます。そんな2人の文通を通して進むストーリーです。

1つの短編の中で起こる出来事に、ななつのこという本の中の似たようなエピソードが出てきてまるで2つの話を読んでいるような気分でした。
この本で出てくる謎も本当に日常の中のほんの些細なことで、気付かないだけで自分の周りにもちょっとした不思議なことが起こっているのかもしれないなあと思った。

最後には駒子と文通をしていた佐伯綾乃さんは誰なのかということもわかって一冊の本としてのまとまりもよかった。

加納さんの本は「ささらさや」「てるてるあした」を読んでこれで3冊目なんですけど、デビューから小説の雰囲気が変わらないんですね。
| 2006.10.07 Saturday | 作家別・か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「てるてるあした」加納朋子
てるてるあした
てるてるあした
加納 朋子

親の夜逃げのために高校進学を諦めた照代。そんな彼女の元に差出人不明のメールが届き、女の子の幽霊が現れる。これらの謎が解ける時、照代を包む温かな真実が明らかになる。不思議な街「佐々良」で暮らし始めた照代の日々を、彼女を取り巻く人々との触れ合いと季節の移り変わりを通じて鮮明に描いた癒しと再生の物語。


「春の嵐」「壊れた時計」「幽霊とガラスのリンゴ」「ゾンビ自転車に乗って」「ぺったんゴリラ」「花が咲いたら」「実りと終わりの季節」の7篇の
連作。

「ささらさや」同様こちらもいい話。そしてやっぱり最後で泣きました。
自分の顔立ちなんかに自信が無くて卑屈になってる照代は何だか他人事に思えなかった。ひねくれてた照代がささらの人たちの暖かさや優しさに触れてだんだんと変わっていく過程が丁寧でとてもよかった。

「ささらさや」に出てくるおなじみのメンバーは「てるてるあした」にも出てくる。みんながみんな相変わらずで何だか安心する。ダイヤやユウ坊がちょっと成長していてかわいいなあと感じた。
| 2006.04.28 Friday | 作家別・か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ささらさや」加納朋子
ささらさや
ささらさや
加納 朋子

事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。

「ささらさや」を読んだのは実は去年の12月なんですけど、そのときに感想書かなくって、「てるてるあした」読んだしドラマも始まったしってことでちょっと思い出しながら今書いてみます。

「トランジット・パッセンジャー」「羅針盤のない船」「笹の宿」「空っぽの箱」「ダイヤモンドキッズ」「待っている女」「ささら さや」「トワイライト・メッセンジャー」の8篇。連作短編。

最初と最後の話だけ亡くなったサヤの夫の視点で話が進むんだけどこれがまたいい話です。
最後の「トワイライト・メッセンジャー」を読み終わったときに泣いた!泣いた!この手の話にめっぽう弱いです。
サヤは時々いらっとくるくらいにいい人なんだけど、ちょっとしたトラブルに巻き込まれると幽霊となった夫が助けてくれる。ほんとにいい話だなあ。サヤの周りのお婆さんトリオとかエリカさんとか個性が強いキャラクターもみんな優しくて暖かい人ばかりでとてもいい気分で読めました。
| 2006.04.26 Wednesday | 作家別・か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(1) |