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 「エミリー」嶽本野ばら
評価:
嶽本 野ばら
集英社
¥ 440
(2005-05-20)
Amazonランキング: 213223位

“この残酷な世界に生み落とされたのは、きっと貴方に出逢う為だったのですよね”。少年と少女の困難で美しい生と性を描いて三島由紀夫賞候補となった表題作はじめ、アートとファッションへの美意識を核に咆哮する三つの愛の物語は、「うっとり読んでいると、破壊力抜群の言葉になぎ倒される」(解説より)。孤高の乙女魂と、永遠の思春期を抱くすべての人に放つ、珠玉の恋愛小説集。

「レディメイド」「コルセット」「エミリー」の3編。
再読。嶽本野ばら作品ではこれが一番好きだなあ。「レディメイド」は昔読んだ時は美術に詳しくなかったのデュシャンとかマティスにピンとこなかったのだけど、今読むと前よりも分かるようになったので登場人物の会話とかグッと面白く感じた。難解な愛の告白も良いじゃんと思えた。この本の中で一番短いけど、一番好きだなあ。
「コルセット」は死のうと思っている男性がその前にと自分が通っている病院の受付の女性と外で会ったら、その女性に好意をもたれるようになってしまい、思いもよらない感じになっていく話。深刻そうな話に見えて実はコミカルなんじゃないかと思いながら読んだ。
「エミリー」は男性恐怖症のエミリーと同性愛者の先輩の2人の関係が切なくもあって好きだなあ。エミリーを焼却炉から助けてからの行動とか好きなシーンだった。こういう関係だけど好意があるのは江國さんの「きらきらひかる」的な感じで個人的にはツボ。しかし昔はさらっと読んでいたくるくるシイタケとかの下ネタは今読むと気持ち悪いとしか思えなかった。
| 2013.10.13 Sunday | 作家別・た行(嶽本野ばら) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん」嶽本野ばら
お前さ、ヒラヒラの癖に、根性、据わってるよな。その辺のカッコだけのヘタれた半チクのヤンキーより、根性あるよ。爆笑+感動の書き下ろし最新作。
今さら読んでみたけどやっぱり面白いなー。長ったらしい文章の中に笑いがちりばめられていて、くすりと笑えるのが良かった。ヤンキーなイチゴとロリータの桃子と、タイプが全く違う2人の意外にも厚い友情にちょっとジーンとした。お金が欲しいイチゴが、桃子とパチンコに行って、イチゴではなく桃子がパチプロの才能を開花させたり、桃子に付き合って東京に行ったら成り行きでモデルのバイトを始めるようになったりと、お互いがお互いをきっかけとして新しいものを見つけられるようになっているのも良かったかも。イチゴが語る友情とはみたいな演説もかっこ良かったしなあ。
| 2011.07.16 Saturday | 作家別・た行(嶽本野ばら) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「タイマ」嶽本野ばら
タイマ
タイマ
嶽本 野ばら

大麻所持で逮捕された僕と彼女の運命の恋

ある日、新宿をひとりで歩いていた小説家の「僕」は警官に呼び止められ、大麻所持の現行犯で逮捕される。それから執拗な尋問、家宅捜索、過酷な留置所での生活が始まった。しかし、僕にとって何よりも辛かったのは、最愛の恋人・あいとの連絡が全くとれなくなってしまったことだった。ストリップ嬢のあいと僕は運命的に出会い、お互いの唯一の理解者として、純粋な愛を育んでいた。だが、ようやく釈放された僕があいと再会すると、なんと彼女は僕の真似をして、ドラッグに手を出していた。薬物がいけない理由は「愛する人を傷つけてしまうから」だ――嶽本氏が作家としての答えをはっきりと表明した、悲しいほどに一途なラブストーリー。
★★★

これは違った意味でおもしろいなあと思った。
嶽本野ばら自身が大麻所持で捕まったことをネタにして書いているっぽいから、どんなもんなんだと思って読んでみたんですけど、すごいです。
表紙からして、自分が捕まったときの記事を持ってきているからすごいわ。

中身もどこまで本当でどこまで違うのか知らないけれど、こんなこと書いちゃっていいの?と思える箇所もちらほらとありました。

内容は相変わらずの野ばら世界が広がっておりました。お洋服のブランドと音楽の話題で溢れていて、あんまり詳しく知らない私にはちょっと辛かったかな(特に音楽)
この独特の世界は1回読むとしばらくいいやあーってなるので、たぶんしばらくは嶽本野ばらは読まないと思う。

てかこれが復帰第1作目だったんだよな、確か。
これってやっぱり自虐ネタなのかなあ。
| 2008.06.05 Thursday | 作家別・た行(嶽本野ばら) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「カフェー小品集」嶽本野ばら
カフェー小品集
カフェー小品集
嶽本 野ばら

互いに頑なな誇りを持つが故、すれ違い、翻弄されつつも惹かれあう「僕」と「君」の恋愛風景の数々―。京都・東京・鎌倉・小樽と、著者自らが偏愛するカフェーを巡り、その時空から紡ぎだした、夢ともうつつともつかない短編・掌編12本を収録。 他の作品群にもつながる作家独自の美意識が色濃く映し出された好著。

「琥珀の中のバッハ」「品性のある制服と、品性のある歯車」「眠りの国、青い屋根の人の家」「諦念とタンゴの調べ」「訳もなく涙さしぐむ者達の居場所」「双子の約束された場所」「凡庸な君の異常なる才能に就いて」「嘘の風景と或る乙女に就いて」「素人仕事の贅沢」「二〇年代のレコードをマグネチックスピーカーで再生する理由」「王国と夢見る力」「モンチッチの誇り」

実在するカフェーを取材して書かれた作品。京都、東京、北海道などいろんな場所のカフェーが出てきて、さらにはどこも歴史があり、こだわりもある店で読んでいると行ってみたくなる。
話は野ばらさんっぽい話だった。どれも似たような感じに思えてしまって、個人的にはあまり印象に残らなかったです。
| 2006.08.07 Monday | 作家別・た行(嶽本野ばら) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ミシン2 カサコ」嶽本野ばら
ミシン2 カサコ
ミシン2 カサコ
嶽本 野ばら

ミシン(感想)の続きということで先にそっちを読んだんですけど、前作のあらすじみたいなもんはきちんと説明されてました。だからこっちから読んでもそんなに問題ないんじゃないかとも。

でも、正直なこと言うとこの続編は無かったほうがいいんじゃないかなあと思う。竜之介とミシンの関係について詳しく説明してるのはいいと思ったんだけど、井上静子のところはそこまでにしなくてもよかったんじゃないかと。
その事件がきっかけで警備を増やすとか柵を作ってとか言ったミシンに対して社長が「本物のアーティストになったな」という部分があって、そこで私も社長と同じこと思ったのに結局最後はカサコ(主人公の名前)の力で元のミシンに戻ってしまう。
そんな真面目なミシンはミシンじゃない!みたいなことカサコは思ってるんですけど、だからってあんたライブの最中に勝手なことしちゃいかんだろと思ってしまった。
私はカサコとは考えが間逆なんだろうなあと思う。だからそんなに楽しめなかったのかもしれない。前作のラストが印象的だっただけにちょっと残念だった。
| 2006.04.01 Saturday | 作家別・た行(嶽本野ばら) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ミシン」嶽本野ばら
ミシン
ミシン
嶽本 野ばら

図書館で「ミシン2 カサコ」を借りてきたのでその前に読み直そうと思って再読。「世界の終わりという名の雑貨店」「ミシン」の2篇。

「世界の終わりという名の雑貨店」は雑貨店を開くことになった僕とその雑貨店にVivienne Westwoodの洋服を着て毎日のように訪れていた君との逃避行の話。
「ミシン」はパンクバンドのボーカルであるミシンに好意を寄せている主人公がどうにかしてミシンに近づいていこうとする話。ミシンって機械のことじゃなくて人名です。

これが野ばらさんの初めての小説なんですけど、最初から野ばらさんらしい乙女論が出てますね。「世界の終わりという名の雑貨店」が好きだという人が意外と多いけど私は「ミシン」のほうがどっちかというと好きだなあ。ミシンと近づきたいがためにお百度参りをしたり、竜之介とミシンが付き合ってるというのを聞けば竜之介が死にますようになんて願って、しかもそれが叶って本当に竜之介死んじゃうしで、主人公にかなり都合のいい感じでトントン話が進んでいって面白かった。それでいて最後も印象に残る。主人公のミシンに対するものすごい執着した愛情は怖いくらいに感じた。
| 2006.03.30 Thursday | 作家別・た行(嶽本野ばら) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「鱗姫」嶽本野ばら
鱗姫
鱗姫
嶽本 野ばら

読み終わってまず思ったのは嶽本野ばらはこういう話も書くんだなあって事。文中の中にも出てきた楳図かずおに似た感じのホラーな気がした。心理的にも怖い。読んでてなんだかどんどん怖くなっていきました。鱗病の描写とか。現実には無いってのはわかるけど本当にそんな病気があったらすごい怖いよなあと。

それでもラストはやっぱり他の作品と似た感じがした。私はミシンとエミリーしか読んでないんで違うのかもしれないけど。本人たちは幸せというか、これでいいと思っているけど、読んでいるほうとしてはやりきれないというか、そんな感じがしたなあ。決して消えない絆は時には悲しいものにもなるのだと思う。
| 2005.12.23 Friday | 作家別・た行(嶽本野ばら) | comments(0) | trackbacks(0) |