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 「しゃぼん」吉川トリコ
評価:
吉川 トリコ
新潮社
(2004-12-22)
Amazonランキング: 1188278位

「しゃぼん」「いろとりどり」「もうすぐ春が」「ねむりひめ」の4編。

再読。しゃぼんのある時ふと嫌になって逃げてしまうみたいな部分は何か分かるなあと思ってしまった。自分を傷つけつつも相手も傷つけていて全体的にヒリヒリした雰囲気の話だと思った。

| 2016.07.04 Monday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「十二歳」椰月美智子
評価:
椰月 美智子
講談社
¥ 1,512
(2002-04-05)
Amazonランキング: 263050位

十二歳。大人の途中の子ども。悲しく切なくやりきれないような痛みだって知っている。十二歳をとおりすぎるすべての人たちへおくる、第四十二回講談社児童文学新人賞受賞作品。
タイトル通り12歳の女の子、さえの物語。ポートボールとか小学生の時にやったなあと懐かしかった。ルールはうろ覚えだけど。考えても仕方ない事を考えたりとか自分もあったなと全体的に自分の昔を思い出して読んでしまった。この感覚は今の12歳くらいの子でも持っているものなのかな。時代関係なく色あせない感情だったりするのかな。
| 2016.03.17 Thursday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「悪党」薬丸岳
評価:
薬丸 岳
角川書店(角川グループパブリッシング)
(2009-07-31)
Amazonランキング: 192743位

自らが犯した不祥事で職を追われた元警官の佐伯修一は、今は埼玉の探偵事務所に籍を置いている。決して繁盛しているとはいえない事務所に、ある老夫婦から人捜しの依頼が舞い込んだ。自分たちの息子を殺し、少年院を出て社会復帰しているはずの男を捜し出し、さらに、その男を赦すべきか、赦すべきでないのか、その判断材料を見つけて欲しいというのだ。この仕事に後ろ向きだった佐伯は、所長の命令で渋々調査を開始する。実は、佐伯自身も、かつて身内を殺された犯罪被害者遺族なのだった…。『天使のナイフ』で江戸川乱歩賞を受賞した著者が、犯罪者と犯罪被害者遺族の心の葛藤を正面から切り込んで描いた、衝撃と感動の傑作社会派ミステリ。
薬丸さん初読み。
元警察官で今は探偵をしている佐伯が犯罪の被害者家族による依頼で犯罪者の今を調査する事になってという話。佐伯自身も姉を殺されていて、独自で犯人たちの今を追っていて、仕事で接した被害者家族たちの様子を見て自分はどうしたいのかというのを考えていく。何をしていたら罪を赦せるのかっていうのは普通に難しいなと思う。佐伯も苦しんで、でも悪党にはならずに大切にしたい人、一緒にいたい人を見つけられて良かったと思う。短いエピローグには希望が溢れていて良かった。
| 2015.10.13 Tuesday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「死者のための音楽」山白朝子
評価:
山白朝子
メディアファクトリー
¥ 504
(2013-11-22)
Amazonランキング: 17377位

教わってもいない経を唱え、行ったこともない土地を語る幼い息子。逃げ込んだ井戸の底で出会った美しい女。生き物を黄金に変えてしまう廃液をたれ流す工場。仏師に弟子入りした身元不明の少女。人々を食い荒らす巨大な鬼と、村に暮らす姉弟。父を亡くした少女と巨鳥の奇妙な生活。耳の悪い母が魅せられた、死の間際に聞こえてくる美しい音楽。人との絆を描いた、怪しくも切ない7篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。
「長い旅のはじまり」「井戸を下りる」「黄金工場」「未完の像」「鬼物語」「鳥とファフロッキーズ現象について」「死者のための音楽」の7編。短編集です。

某作家の別名義の作品。読めばあの人の雰囲気が出てる作品だなあとすぐに分かるし楽しめた。デビューから集英社で出していた初期の作品みたいな雰囲気で懐かしいなあと思ったり。ホラーっぽいんだけど物悲しい読後感があってくせになる感じで好きだった。鬼物語と鳥とファフロッキーズ〜、死者のための音楽辺りが特に好きな話だった。鳥は最初怖いなと思いつつ読んでいたのに最終的には健気でとても愛らしく感じられた。
| 2014.01.11 Saturday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「少女地獄」夢野久作
評価:
夢野 久作
角川書店
¥ 540
(1976-11)
Amazonランキング: 27933位

彼女を生かしたのは空想です。彼女を殺したのも空想です――可憐な美少女・姫草ユリ子。彼女は接触するすべての人間に好意を抱かせる天才であり、虚構の天才でもあった。ひとつの嘘を支えるために、新たな嘘をひとつつく。無限に増幅された嘘が綻びはじめたとき、虚構に生命をかけていた彼女が、選んだ道とは……。3つの異なる書簡で綴られる表題作のほか、「女坑主」「童貞」などを収めた短編集。
「少女地獄」「童貞」「けむりを吐かぬ煙突」「女坑主」

夢野久作の中では読みやすいと聞いて読んでみたけれど、やっぱり難しいな。ただ、短編であったので、短い区切りで読んでいけるという点では読みやすかったし、文庫の手ぬぐい風カバーとか好みだった。
しかし内容は1回読んだだけじゃ上手く頭の中に入ってこない感じだった。巻末の解説が丁寧で割と助かったなあと思ったし。書簡体というのか、手紙や新聞記事なんかで話を進めていく手法は先が気になって引き込まれたし、上手いなあと思った。

ところで、夢野久作だといつかドグラマグラを読むのが目標なんですけど、短編集でも難しいと思っているのに、長編なんていつになったら読めるようになるんだろうと思ってしまった…。でもいつか挑戦したいんですよねえー。
| 2012.07.29 Sunday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「時が滲む朝」楊逸
評価:
楊 逸
文藝春秋
¥ 1,300
(2008-07)
Amazonランキング: 80767位

天安門事件前夜から北京五輪前夜まで。中国民主化勢力の青春と挫折。デビュー作「ワンちゃん」で第138回芥川賞候補になった在日中国人作家、注目の最新作。
中国の天安門事件に関する小説。主人公たちが大学生に合格してから、段々とそういった活動に入っていくまでの過程を描いている。学生たちはよく分からないながらも、最初は教授がやっているからみたいな感覚で動いているように見えた。
私自身が、あまりこの事件に詳しくないので、いまいちピンとこないまま読み終わった。
| 2010.09.10 Friday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「春のオルガン」湯本香樹実
春のオルガン (新潮文庫)
春のオルガン (新潮文庫)
湯本 香樹実

小学校を卒業した春休み、私は弟のテツと川原に放置されたバスで眠った―。大人たちのトラブル、自分もまた子供から大人に変わってゆくことへの戸惑いの中で、トモミは少しずつまだ見ぬ世界に足を踏み出してゆく。ガラクタ、野良猫たち、雷の音…ばらばらだったすべてが、いつかひとつでも欠けてはならないものになっていた。少女の揺れ動く季節を瑞々しく描いた珠玉の物語。
★★★

小学校を卒業した春休み、もう小学生でもなく、かといってまだ中学生でもない微妙な期間。大人同士のいざこざを目の当たりにしたり、弟と家出をしたり、いろんなことに戸惑いながらもちょっと成長していく物語なのかな。

自分がこのトモミみたいな時期から遠ざかって結構たってしまっているので、こういう感覚にあまりピンとこなかったのが残念。
| 2009.02.02 Monday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「はなうた日和」山本幸久
はなうた日和
はなうた日和
山本 幸久

こどももおとなも人生はハプニングづくし。東京・世田谷線沿線を舞台に描く、ささやかな変化と希望の物語8編。『笑う招き猫』の著者による、待望の小説すばる新人賞受賞後第一作。
★★★
「閣下のお出まし」「犬が笑う」「ハッピー・バースデイ」「普通の名字」「コーヒーブレイク」「五歳と十ヵ月」「意外な兄弟」「うぐいす」

「閣下のお出まし」
自分の父親に会うために、父の住む場所を訪れた一番。しかしそこには一番と同じ年齢のハジメという少年がいた。
大人の都合に振り回される少年二人、というのがそんなに深刻じゃないんだけど、印象に残る。いつも一番と比較されるハジメ、何故かハジメが一番の父親と母親と一緒に食事をしている。何だか子ども二人がかわいそうだなあと思うんだけど、そこが軽く読めてラストも何だか好きです。

「犬が笑う」
「スナックとき」で働く陸子ことランさんとお店の常連・河田さんの話。
ソラヲが本当にしょうもない男ですが、それをうすうす分かっている陸子がまたかっこいいなあと思った。そして河田さんのキャラクターがほほえましくて好きです。

「ハッピー・バースデイ」
もうすぐ定年をむかえる虹脇が、部下の櫻井にあるお願い事をされる。
若い社員と飲みに行って、動揺している虹脇さんをおもしろいなあと読みつつ最後の予想外な展開に虹脇さんと一緒に驚きました。しかし、定年前にそんなことをしなくてよかったと思いますよ。

「普通の名字」
シングルマザーで二人の子どもがいるミトコが世話焼きの職場の人にお見合いをセッティングされる。
普通の名字すぎて、なかなか柴谷さんに名前を覚えてもらえない山田さんというのにうけました。この話が一番好きかなあ。子どもが親のお見合いというのに、無理して平気な振りしていたり、何だかそういうのが自然な感じで読めてよかった。

「コーヒーブレイク」
犬を逃がしてしまった千倉と、一緒に犬を探すことにした織部の話。
この本って意外と深刻な事情を持っている人が出てきますが、あんまりそういうのを気にさせないで、軽く読めるのがいいところかも知れません。これもそんな感じです。
自分がくびになった会社の商品をすすめるちょっと抜けてる千倉さんのキャラクターがよかった。

「五歳と十ヵ月」
撮影会の帰りに立ち寄った場所で昔の恋人だった真田と再開する。
自分は微妙な人生を歩んでいるのに、久しぶりに再開した真田は結婚して子どももいるっていうのがまた女性にはずっしりくるような気がする…。読んでいてちょっと辛いです。

「意外な兄弟」
特撮ものが好きな沼野は、大学時代の仲間と時々集まりながら話をする。そこで、結婚する友人、田舎に帰る友人が現れるなどちょっとした変化が起こる。
なんとなく沼野さんのキャラが好きです。ちょっと不器用な感じで、妥協して始めた仕事だけど、段々と一生懸命になっていく感じなんかがいいですね。

「うぐいす」
息子夫婦と同居しているサトヨの話。
亡くなったサトヨの旦那さんがしていた畳屋の作業場を改装して、子ども部屋にしようとしているのを、承諾するけど悲しく思っていたり、何だか切ない話です。
そして千倉さんがまさかの再登場!ちょっと嬉しかったです。
| 2008.01.04 Friday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「「処女同盟」第三号」吉川トリコ
「処女同盟」第三号
「処女同盟」第三号
吉川 トリコ

ダサくてキラキラ輝いていた、あの頃の私達。
「一生処女」を誓った“腐女子”仲間が、突然の足抜け宣言!? どうやら、現実に彼氏ができたらしい……。オタク女子の揺れる乙女心をリアルに描いた表題作ほか、高校生をテーマにした6篇。
「「処女同盟」第三号」「夢見るころはすぎない」「一泊二日」「新宿伊勢丹で待ち合わせ」「そこからはなにが見える?」「夏かける自転車」

「「処女同盟」第三号」
同人活動をしていた腐女子仲間の二人が同人を止めると突然言い出して…。
これが一番おもしろく読めた。しょっぱなからカップリングが〜とか出てきてびっくりしましたよ。
自分が好きになった相手が。同じように自分のことを好きになる。たったそれだけのことが奇跡のように思えた。まわりを見渡せば、恋も愛も氾濫している。だけどそれはすべて自分とは無関係の、あちら側の世界で行われているような気がしてならない。あたしはいまだに線を越えられないでいる。
この文章にめちゃくちゃ共感してしまった。そんなわけで、この話が一番好き。

「夢見るころはすぎない」
期待しても毎年盛り上がらない学校行事。それでも何かを期待してしまい、三年生最後の学園祭がやってくる。
あー、なんかこれもわかるぞ。漫画のように華やかなものにはならないんですよね。私も文化祭そうだったし。ただ、3年に1回なので、毎年絶望感を味合わなかった分ましなのかも…。

「一泊二日」
卒業旅行で日光にやってきたアリちゃんとミユちゃんの話。
この辺りから主人公の女の子が自分勝手に感じてしまいました。妙にリアリティがあるような気がする。

「新宿伊勢丹で待ち合わせ」
昔よくライブに行っていたインディーズバンドの解散ライブで昔の友達マーチンと偶然出会って…。
みどりちゃんはもうすぐ結婚をひかえていて、マーチンは風俗で働いている。マーチンの心配をしておきながら面倒だなあと感じるみどりちゃん。こういうの本当に思っちゃうんだろうなあ。やっぱり。

「そこからはなにが見える?」
同窓会の知らせが来たことで、高校生のころ10年後の自分に向けて手紙を書いたことを思い出す。同窓会に行きたくはないけれど、手紙を読まれたくも無いので、仕方なく参加することにした日比野と「私」。
こういう企画は案外楽しそうに思えるけど、いざ自分がやるとなると、やっぱり嫌かもしれない…。北村くんがおもしろかった。

「夏かける自転車」
夏休みのある日、亜矢とちょっと訳ありな感じのクラスメイト千秋と花火を見に行くことに。
ちょっととげのある言葉に高校生の残酷さを感じたりした。

この本に出てくる女の子は結構ゆがんでる人が多い気がする。読んでてなんか嫌だなあと思う性格や考え方をしている。でも、そういう気持ちが自分の中にもあるんだろうなあと思えるから余計に嫌なのかも。
| 2007.10.02 Tuesday | 作家別・や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「紗央里ちゃんの家」矢部嵩
紗央里ちゃんの家
紗央里ちゃんの家
矢部 嵩

叔母からの突然の電話で、祖母が風邪をこじらせて死んだと知らされた。小学五年生の僕と父親を家に招き入れた叔母の腕もエプロンも真っ赤に染まり、変な臭いが充満していて、叔母夫婦に対する疑念は高まるけれど、急にいなくなったという従姉の紗央里ちゃんのことも、何を訊いてもはぐらかされるばかり。洗面所の床から、ひからびた指の欠片を見つけた僕は、こっそり捜索をはじめるが…。第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
軽い気持ちで読み出したら、以外にもホラーで(ホラー小説大賞なんだから当たり前だけど)、怖かったです。
毎年親戚の家に遊びに行っているけれど、今年は父親と「僕」だけが、訪れることになった。今年は姉と母親が家に残り、祖母が亡くなってしまい、いとこの紗央里ちゃんは行方不明になっていた。叔母さんの家につくと、異臭がして、叔母さんは血まみれで現れた。
家中に充満する異臭、洗濯機の下から出てきた誰かの指、なぜか焼きそばしか出てこない食事。最初から最後まで気味悪く、後味は非常によくないです。なんとなく読んだ感じでは乙一みたいな作風かな。黒いほうの。

スプラッタ系だったりもするから苦手な人は要注意かと思います。私も読んでて怖かった。出てくる人たちがみんなどこか狂っている。異臭がしようがまったく気にしない父親、最近は虫を食べてたとか言う叔父さん、血まみれで現れた叔母さん。何より、家中に隠された死体を探し出そうと考える主人公からして狂っている。
読後の後味が悪いのは、何でこんなことが起こったのか、何でこんなことをしてしまったのか理由が解明されないまま終わるからもあるんだろうなあと思う。
| 2007.07.31 Tuesday | 作家別・や行(その他) | comments(2) | trackbacks(1) |
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