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 「五十坂家の百年」斉木香津
評価:
斉木 香津
中央公論新社
¥ 1,728
(2015-04-24)
Amazonランキング: 496308位

その朝、双子の老姉妹が手に手をとり崖から飛んだ。葬儀のため集まった家族は、武家屋敷の床下から四体の遺骨とある秘密を掘り起こす…怒涛のカタルシスを呼ぶ、淫靡で切ない長篇ミステリー。

五十坂家という一族の四世代に渡る話。双子の老姉妹が自殺をした事から五十坂家の過去を追及していくのだけど、事件が起こってしまう過去編のおどろおどろしさというか窮屈感とかがよく出ていて面白かった。現代の人たちは過去の人と同じ事を繰り返そうとしているのではと思う部分があると少しゾっとした。4人目の殺人はとって付けたというか無くてもいいのではと思ってしまったかな。ラストの二葉の語りも意味ありげで二葉が何かしたのかと気になった。

| 2017.04.22 Saturday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「魔女の死んだ家」篠田真由美
評価:
篠田 真由美
講談社
¥ 2,052
(2003-10-26)
Amazonランキング: 630232位

昔、あたしは高い石の塀で囲まれた大きなおうちに、おかあさまとばあやとねえやと四人で暮らしていた。うちにはお客さまのない日の方がめずらしいくらい。お客さまたちのことを、おかあさまの「すうはい者」と呼ぶのだとばあやは教えてくれた。ある春のこと、おかあさまはピストルで殺された。その日のことをあたしはよく夢に見る。「魔女だからね。魔女は昔から火炙りに決まっているからね。」という男の人の声が聞こえる。すると急にあたしは自分の手の中に硬い冷たいピストルの感触を覚えるのだった……。充実の一途を辿る著者がくりひろげる耽美の世界、もつれた謎が鮮やかに解き明かされるエンディングをご堪能ください。

初めて読む篠田さん。色んな人の視点から話が進むから後半入るまで誰目線で読んだらいいのか分からなかった。叙述トリックでもあった。でも都夜子の真意とかは結局推測になってしまうからちょっと物足りなかったかな。

| 2016.07.29 Friday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「フルーツパーラーにはない果物」瀬那和章
評価:
瀬那 和章
文藝春秋
¥ 788
(2016-05-10)
Amazonランキング: 261301位

かわいい形をしていて誰にでも好かれるけれど、すぐに飽きられるイチゴのような女の子。でも、こんな自分になりたかったわけじゃないのに―。今の自分がどこか好きになれない。メーカー勤務の四人の女性たち。二十代後半の彼女たちが出会った、人生を変えるかもしれない恋愛と友情を描く連作短篇集。

何となく買ってみた小説だったけど結構面白かった。同じ会社に勤める同期の女性4人がそれぞれメインになる連作短編。仲が良くても相手の嫌な部分も良い部分も認め合えているような関係性の友情も好きだった。それぞれの話では森口さんの話が一番辛いよなあと思った。前向きになっているしこれから幸せになって欲しいなと思う登場人物だった。

| 2016.07.10 Sunday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「透明人間の納屋」島田荘司
評価:
島田 荘司
講談社
¥ 2,160
(2003-07-30)
Amazonランキング: 751371位

透明人間はこの世に存在する。人間を透明にする薬もある。見えないから誰も気がつかないだけなんだ、この町にだっているよ。……学校、友人、母親、すべてに違和感をもって生きる孤独な少年、ヨウイチがただひとり心を開き信じ尊敬する真鍋さんの言葉だ。でもどうしてそんな秘密を知っているのだろうという疑問がぬぐいきれないでいるところに、不可解な誘拐事件が発生した。密室から女性が蒸発したかのように消失したのだ。透明人間による犯行だと考えると謎は氷解するのだが。
透明人間とか子供向け要素が強いのかと思ったら、後半の真鍋さんからの手紙で一気に大人向けになる感じが凄かった。大人も子供も楽しめる作品だと思うし、大人になると真鍋さんとヨウちゃんのやりとり全てが大切でかけがえのないものに思える。真由美の殺人事件よりも透明人間の意味とかヨウちゃんと真鍋さんのエピソードの方がメインなんだと思う。もう会えないだろうし、喧嘩別れのようになってしまったけれど、ヨウちゃんが真鍋さんの船の見送りに間に合ったし、お互いにいるって分かった状態で別れられたのが言葉は交わせなかったけれどそれだけが2人にとっての救いだし良かったなと感じた。
| 2016.06.21 Tuesday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「約束の森」沢木冬吾
評価:
沢木 冬吾
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 2,052
(2012-03-01)
Amazonランキング: 286174位

警視庁公安部に属していた奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くし、退職を決めた。以降、人知れず孤独に暮らしていたが、かつての上司から北の寂れた土地でモウテルの管理人を務めてほしいと依頼され、任地に向かう。そこで待っていたのは、見知らぬ若い男女と傷ついた一匹の番犬だった…。
ハードボイルドに分類される話なのかな。
汚職事件を起こして警察を辞めた奥野が依頼されてある事件に巻き込まれるみたいな内容。孤独に生活していた奥野が一緒に生活するようになったふみや隼人、犬のマクナイトと交流するうちにそれぞれの心境が変わっていく感じが良かった。ページ数が多いけど読み終わってみるとそこまで長く感じなかったかなと思う。
| 2015.01.17 Saturday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「春の庭」柴崎友香
評価:
柴崎 友香
文藝春秋
¥ 1,404
(2014-07-28)
Amazonランキング: 9213位

柴崎さんの小説はきょうのできごと以来かな。
純文学の楽しみ方が最近分からなくなりつつあって、しっかり読めた感じがしないのだけど、以前よりは読みやすいなあと勝手に思いました。西が風呂場に行きたいからビールをかけようと思っていたのに結果としてはガラスで顔を切ってしまったりと大事になってしまったシーンが面白かった。
| 2014.10.31 Friday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ホテルローヤル」桜木紫乃
評価:
桜木 紫乃
集英社
¥ 1,470
(2013-01-04)
Amazonランキング: 1328位

恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、ホテル経営者も複雑な事情を抱え…。
「シャッターチャンス」「本日閉店」「えっち屋」「バブルバス」「せんせぇ」「星を見ていた」「ギフト」
ホテルローヤルというラブホテルが登場する連作短編集。時系列としては、後ろの話になるほど昔の話で、普通の小説とは逆の順番かな。もう廃墟となってしまったホテルローヤルから衰退していく様を読んだのもあって、最後のギフトでは何とも言えない気持ちになった。気が滅入るというか。個人的には小説の中では現実忘れて浸りたいからもうちょっと読後感が良いのが好きだなあと思った。多分自分が歳をとったのもあるのかなあと。
| 2014.03.14 Friday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ジャンプ」佐藤正午
評価:
佐藤 正午
光文社
(2000-09)
Amazonランキング: 313217位

自分で自分の人生を選び取ったという実感はありますか?失踪をテーマに、現代女性の「意志」を描く恋愛小説の名手待望の文芸ミステリー。
初読みの作家さん。
ある日リンゴをコンビニまで買いに出て行ったみはるがそのまま行方不明となる。みはると付き合っている三谷はみはるの姉と一緒に彼女の行方を捜すのだけど、途中から足取りは分からなくなってしまう。そしてみはるの姉や周囲の知り合いにはみはるから連絡があったのに、三谷にだけは何の連絡がないまま日々は流れていく。
語り手の三谷が乾いているというか、あまりみはるに執着していなさそうだったのでこっちもさらさらと読めたかな。何故みはるは三谷の前から去ったのかという事は最後に明かされるのだけど、そこから浮かぶのは一人の人間の成長というか、人生の話という感じで、みはるの行動力が少し羨ましくも思えたかなあ。
| 2013.12.25 Wednesday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「ココデナイドコカ」島村洋子
評価:
島村 洋子
祥伝社
¥ 600
(2006-07)
Amazonランキング: 1145486位

“騙されていることに気づいていた。でも、好きだったから”着物のセールスをしている西に惹かれていった私は、彼の勧めで高額の着物を買い揃えた。病的に厳しかった母を持ち、感情を密閉容器に封じたように育った私が、精一杯勇気を示した行動だった。しかし直後、彼は行方をくらませた…(「密閉容器」より)。現代女性の心理の深奥にせつなく迫る、恋愛小説。
タイトルと装丁に惹かれて買ったんだけど、数年単位で積んでました。恋愛小説という事だけど、苦い話ばっかりなのでそのくくりに入れてしまうのもどうだろうかと思う。初っ端から男の人に騙されて詐欺に会う女性の話だったのもあって、ずっとこんな話だったらどうしようかと思ったのだけど、そういう話ばかりではなかったので一安心。でも誰かに騙されたり、人にいいように使われてしまったりとか、器用ではない人ばかりが出てくる小説だったように思う。ハッピーエンドなわけではないけれど、最後に載っている幸福という話が一番好き。
| 2013.09.30 Monday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「しっぽでごめんね」白倉由美
評価:
白倉 由美
角川書店
¥ 1,890
(2005-11)
Amazonランキング: 786247位

ある日突然現れた、しっぽのある女の子とのひと夏の物語
繭果はたった今のことを忘れてしまう。赤いものしか食べない。いつも詩のように歌う。そして繭果にはしっぽがあったんだ??そして始まる二人だけの甘い生活。しかし、幸せな日々は長く続かなかった。
可愛らしくもあり、どことなく残酷なようでもある不思議な話だった。赤いものしか食べる事が出来ないしっぽのある女の子の繭菓と僕が過ごした日々を僕である語り手の「交差点」が話しているという形式。すぐに記憶を無くしてしまう繭菓や、繭菓と過ごした事のある西永清秋の関係とか色々分かったようで分からない部分もあるまま読み終わってしまった感じ。交差点と伽羅子は結局は交差点が西永清秋の役割になっただけなのではないかなーと思ったりもした。
| 2013.08.06 Tuesday | 作家別・さ行(その他) | comments(0) | trackbacks(0) |
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