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 「私は存在が空気」中田永一
評価:
中田永一
祥伝社
¥ 1,620
(2015-12-11)
Amazonランキング: 182976位

存在感を消してしまった少女。瞬間移動の力を手に入れた引きこもり少年。危険な発火能力を持つ、木造アパートの住人…どこかおかしくて、ちょっぴり切ない、超能力者×恋物語。恋愛小説の名手が描く、すこし不思議な短編集。

超能力を使える人を絡めた恋愛もの。主人公たちは目立たなかったり冴えなかったりな子が多くて、誰かを好きになっても相手には恋人がいたりとかで自分の気持ちを伝えようとは考えていない。でも好きな人の為に行動していて、そのいじらしさや切なさが良かった。私は「サイキック人生」という話が一番好きだった。主人公の星野さんと、唯一彼女の秘密を知ってしまった蓮見くんのその後がもう少し読みたいなと思える話だった。

超能力があっても無くても家族以外で本当の自分を知ってもらえているって思えて安心出来る人を探すのは中々に難しいんだよなと思ってしまった。

| 2018.12.26 Wednesday | 作家別・な行(中田永一) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「吉祥寺の朝比奈くん」中田永一
評価:
中田 永一
祥伝社
¥ 1,680
(2009-12-11)
Amazonランキング: 22720位

 「交換日記はじめました」「ラクガキをめぐる冒険」「三角形はこわさないでおく」「うるさいおなか」「吉祥寺の朝比奈くん」

最近ツイッター上で中田永一=乙一という事がはっきりと分かった訳ですが、これもほんのりミステリ要素を持った恋愛小説集です。禁断の恋みたいな話があっても、すごくほわほわしていて愛おしく感じる優しい作風の話ばかりだった。
「うるさいおなか」みたいなユーモアな設定も面白いし、「ラクガキをめぐる冒険」みたいにいきなりラストシーンが冒頭にある話があったりと、色々な工夫もあって面白かった。私の一押しは「ラクガキをめぐる冒険」と表題作の「吉祥寺の朝比奈くん」かなあ。
| 2011.03.03 Thursday | 作家別・な行(中田永一) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「百瀬、こっちを向いて。」中田永一
百瀬、こっちを向いて。
百瀬、こっちを向いて。
中田 永一

恋愛アンソロジー「I LOVE YOU」などで読書界を騒然とさせた話題の大型新人、初めての恋愛小説集。
★★★★★
「百瀬、こっちを向いて。」「なみうちぎわ」「キャベツ畑に彼の声」「小梅が通る」

こういう話は大好きです。ちょっと甘酸っぱいような、かわいらしいようなそんな短編が4つ。

「百瀬、こっちを向いて。」
これはアンソロジーですでに読んでいたので再読。タイプも性格も違くて、本来なら関わりあうはずもなかった主人公と百瀬が、とある事情で恋人同士のふりをする事になる。さえない主人公が、これまたさえない友人と交わす会話が何気に好きだった。

「なみうちぎわ」
登校拒否の小学生・小太郎の家庭教師をしていた高校生の姫子は、海で溺れている小太郎を助けてから植物状態になってしまい、5年間眠り続けていた。5年ぶりに目覚めると小太郎は高校生になり、姫子は21歳になっていた。
この話もアンソロジーで読んでいたので再読になります。「ねむり姫」がモチーフの物語で、すごく好きな話だった。

「キャベツ畑に彼の声」
テープ起こしのバイトをしている主人公は、ある日覆面作家のインタビューのテープを聞き、それが高校の国語教師の声にそっくりである事に気付く。
これは、高校生の女の子が先生に対して片思いしている物語なのかなと思っていたら、それだけじゃなくて、ちょっとしたミステリ仕掛けになっていて面白かった。そこまでは、気づいていなかったので、読んでてちょっとびっくりした。

「小梅が通る」
本当は美人顔なのに、あえて地味メイクをほどこして高校に通う柚木。ある日、素顔をクラスメイトの山本勘太に見られてしまった彼女はとっさに自分は妹の小梅だと名乗ってしまう。
この話も好きでした。柚木の友達の2人も何か面白くていい子だし、いつまでも小梅と思い込んでいる山本勘太くんも微笑ましくてよかった。あと、彼の弟もかわいくて好きだ。
| 2009.03.17 Tuesday | 作家別・な行(中田永一) | comments(0) | trackbacks(0) |