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 「真昼なのに昏い部屋」江國香織
評価:
江國 香織
講談社
¥ 1,512
(2010-03-25)
Amazonランキング: 408015位

会社社長の夫・浩さんと、まるで軍艦のような広い家に暮らす美弥子さんは、家事もしっかりこなし、「自分がきちんとしていると思えることが好き」な主婦。大学の先生でアメリカ人のジョーンズさんは、純粋な美弥子さんに心ひかれ、二人は一緒に近所のフィールドワークに出かけるようになる。時を忘れる楽しいおしゃべり、名残惜しい別れ際に始まり、ふと気がつくとジョーンズさんのことばかり考えている美弥子さんがいた―。

不倫ものなのに不思議とドロドロしていない、むしろさっぱりとした感じを醸している。江國さんの文章って上品な雰囲気があって、日本が舞台なのに外国が舞台のように思える。ジョーンズさんは美弥子さんに気があり、2人きりで会ううちに最終的には関係を持ってしまう。最後の文章が移り気な人の気持ちというか残酷さが出ていて印象に残った。美弥子さんこの後どうなるんだろうと気になってしまった。

| 2016.09.05 Monday | 作家別・あ行(江國香織) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「神様のボート」江國香織
評価:
江國 香織
新潮社
¥ 515
(2002-06-28)
Amazonランキング: 3271位

昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子"。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの"“神様のボートにのってしまったから"――恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。
再読。初めて読んだのはおそらく高校生の時だと思う。その時は地に足がついてないみたいで嫌だなとか思っていたんだけど、改めて読んだら悪くないじゃんと思えた。多分昔はずっと草子の目線で読んでいて、こんな母親に振り回されるなんて嫌だと思っていたんだと思う。今は葉子よりに読むようになったわけでもなく、もっと客観的に読むようになったのかな。誰かにシンパシーを感じるのではなく、一つの物語として読むようになったんだろうなあと感じました。年月と共に小説の読み方も変わったんだろうなと思うと若干淋しくもありますね。

いつか必ず会いに行くよと約束した事を信じ、各地を転々としながら草子の父親が会いに来てくれるのを待っている葉子と娘の草子。自分たちは旅がらす、神様のボートに乗ってしまったからと言って、その場所に馴染もうとしない母親と、それについていく娘。でも草子は成長していくと共に旅がらすの自分たちの生活に疑問を感じ、現実を生きたいのだと葉子に話す。狂気的な母親と、そんな母親が好きだけれども付いていけなくなった娘、時が経つにつれてずれていく母娘には物悲しくなるけど、それが当たり前だよなあと思う。葉子だけがいつまでも立ち止まっている話だったのかなと思う。
彼女も現実を生き始める事でようやく幸せに辿り着けるだろうと予感させるラストが結構好きだったな。幸せの青い鳥みたいで。

…と思ったんだけど、他の人の感想読んだらどっちともとれる解釈のラストみたいですね。確かに改めて読み返したらそうだ!あたしはなんだか怖くてたまらないって草子目線の最後の文章がこっちは不穏でたまらないですね。
私はこういうとき、悪い方に解釈するんだけど、これに限ってはやっぱり最初に自分が思った通りに再会出来てたら良いなあと思う。うーん、でもどっちなんだろう。気になるね。
| 2013.04.15 Monday | 作家別・あ行(江國香織) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「きらきらひかる」江國香織
評価:
江國 香織
新潮社
¥ 452
(1994-05-30)
Amazonランキング: 7231位

私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは? 傷つき傷つけられながらも、愛することを止められないすべての人に贈る、純度100%の恋愛小説。
新婚の笑子と睦月。しかし笑子はアル中で情緒不安定、睦月は同性愛者で紺という恋人がいる。お互いにその事情を理解して結婚をしていて、そんな2人の生活を描写した恋愛小説。笑子と睦月の設定だけ見るとかなりぶっ飛んでいるように見えるけれど、江國さんのどこか地に足がついていないような不思議な文体で読むと何てことないように思える。笑子と睦月は恋愛感情はないんだろうけど、お互いを受け入れていて、それもまた立派な愛情だよなと思える。今のままで十分満足しているのに、それでは許してくれないお互いの両親や友人。色々言われて不安定になっていく笑子に大丈夫なのかなと思ったら、人工授精の相談に行って、自分と睦月と紺の3人の子供が作れればいいのに、みたいな事を言ったのにはすごい考えだなと思いつつも、結構好きなシーンだった。
江國さんの小説は自分の中で好き嫌いがはっきり分かれるんだけど、これは好きな小説だなあ。ふとした時に読み返したくなりそうなくらい、読んでいて心地よい話だった。
| 2013.03.25 Monday | 作家別・あ行(江國香織) | comments(0) | trackbacks(0) |
 「間宮兄弟」江國香織
間宮兄弟
間宮兄弟
江國 香織

江國さんの本って好きなのか苦手なのかいまいちわからなくて、ちょっと避けてきていました。だから間宮兄弟も映画化するってのは知ってたけど読んでみようかなあとまではいかなかったんですよね。
でもこの前学校で間宮兄弟の映画の主題歌をRIP SLYMEが歌うっていうのを友人に聞いてそこで一気に読んでみようかなあって気になりました。
それで図書館で借りてきたわけですけど、最初はやっぱり慎重に読んでました。自分には合わないかもしれないからって。だけど読んでいくとすごいおもしろいおもしろい。一気に読むのがもったいないと思いつつ一気に読みました。

30代の兄弟2人暮らし、恋愛経験も無い。女性にはいい人だと思われるのに決して恋愛対象にはならない。そんなさえない兄弟の間で巻き起こるいろんな人のちょっとした恋愛事情といった感じ。
兄弟は気になってる女の人と進展しようとちょっとがんばってみるのに、少しから回っていたりする。この様子がまたおもしろい。
読み終わってみると兄弟は何にも変わっていないのに、兄弟と関わった人たちは何かしら変化がある。

しかしこの兄弟の多趣味はまたすごいよなあ。読書に映画にパズルに他にもいろいろ。恋愛が出来なくても何か趣味があればそれなりに楽しい人生過ごせるものなのかなあと将来この兄弟のように成りかねない私は、そんなことを学んでみます。
それにしてもこれ読んだら映画が気になってくる。見に行きたいなあ。
| 2006.03.06 Monday | 作家別・あ行(江國香織) | comments(0) | trackbacks(3) |
 「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江國香織
いつか記憶からこぼれおちるとしても
いつか記憶からこぼれおちるとしても
江國 香織

いままで江國香織の本は数冊読んで自分には読みにくいなあと思ってそれ以来あんまり読んでなかったんですけどタイトルにひかれて今回買ってみて読んでみたらあんまり前みたいに感じませんでした。ただ話が好きになれなかっただけなのかも知れません。

内容はタイトルの通りいつか時がたったら忘れてしまうような一瞬の出来事を書いた話。時には残酷だったり、切ない思いをしたり、破壊衝動に駆られたり。私もちょうど同じ年代だったりするので少しはわかるなあという感情たち。でもここまではっきりとはしていないかなあ。
これを読んだら今私の周りの事とかも、いつかは記憶にも残らなくなるのかなあと思った。今は小学校低学年の頃のこととかも嫌なくらい結構覚えているのにいつかは忘れていくのかと思うと少し悲しい気もする。
| 2005.12.23 Friday | 作家別・あ行(江國香織) | comments(0) | trackbacks(0) |